11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第3部 (2)監督に来てほしい! [映画「ストロベリーフィールズ」]
地元中学校の先生の話は続く。
「今、地元を見つめる授業というのがあるんです。
住んでる町のことを勉強するのが目的です。
その時間に、1年生全部を集めるので、監督に来て頂いて話をしてもらいたいんです。
映画『ストロベリーフィールズ』を通じて、地元・田辺のこと、
この木造校舎でなぜ撮影したか?
という話をしてほしいんです。
講演料みたいなものは出ないんですけど、
また、田辺に来られるついでがあれば・・
と思って、連絡させて頂いたんです」
なんて、うれしい話なんだろう。
それも中学1年生の生徒たちが、
「映画の話を聞きたい。監督に来てほしい」
と提案してくれた。
それを先生方が取り上げ、1年生全員で話を聞こう
という授業をしたいと言ってくれる。
僕のテーマ「親と子に伝えたい大切なこと」。
まさに、それを、「教師と生徒」側から求められたのである。
凱旋上映を企画してくれた高校の先生も、
同じ意味で上映を考えてくれたのだ。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第3部 (1)中学1年生からの提案 [映画「ストロベリーフィールズ」]
「監督さんですよね?」
声をかけてくれたのは、「ストロベリーフィールズ」の撮影をさせて頂いた東陽中学。
そこで教える若い女性の先生だった。
実は、今回の凱旋上映の話が進みだしてから、こんな連絡を頂いていた。
「この間のHRで生徒から、こんな提案が出たんです。
太田監督に学校に来てもらって、映画の話をもらいたい!
というんです。
というのも、うちの生徒たちも、かなりの数、
『ストロベリーフィールズ』見てるんです。
監督が毎日書かれているブログ、読んでる子もたくさんいます。
皆、1年生なので、撮影のときはまだ入学してなかったんですけど、
この学校で撮影があったことを知って
映画見に行ったら、自分らが毎日通っている学校が出てきた・・。
みんな、びっくりしたり、感動したり、凄く感じるものあったらしいんです。
生徒たちは、監督のブログ読んだり・・・・
中には自由研究で、『ストロベリー』のロケ地をまわって
全部写真に撮って来たグループもあります。
で、太田監督に学校に来てほしいと・・・言いだしたんです。
そのこと、職員会議で提案したら、
それやったら、特別授業で来てもらへんだろうか?
という話になりました・・・」
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (8)長い列! [映画「ストロベリーフィールズ」]
3年前の11月11日は雨・・・。
客入りにも影響する。
ところ、開場1時間前になる頃から、どんどんと人が集まり出す。
30分前には、長い長い行列ができた!
その列はどんどん長くなっていく。
数えてみた。10人、20人、50人、100人!
まだまだ、列は長くなっていく。
その列に沿って歩いてまわると、こんな声が聞こえてきた。
「公開のとき、見れへんかったんやけど。めちゃめちゃええ映画や言われて、見たかったんや!」
「チケットこうてたのに、公開されたときに気付かへんかったですわ」
「もう1回。見たいと思てたんで、ラッキーやわ!」
聞いていると、公開時の評判を聞いて来てくれた人が多いようだ。
そんな声を聞きながら歩いていると、声をかけられた。
「太田監督さん・・・・ですよね?」」
(第3部に つづく=>https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/edit/input?id=15977152)
客入りにも影響する。
ところ、開場1時間前になる頃から、どんどんと人が集まり出す。
30分前には、長い長い行列ができた!
その列はどんどん長くなっていく。
数えてみた。10人、20人、50人、100人!
まだまだ、列は長くなっていく。
その列に沿って歩いてまわると、こんな声が聞こえてきた。
「公開のとき、見れへんかったんやけど。めちゃめちゃええ映画や言われて、見たかったんや!」
「チケットこうてたのに、公開されたときに気付かへんかったですわ」
「もう1回。見たいと思てたんで、ラッキーやわ!」
聞いていると、公開時の評判を聞いて来てくれた人が多いようだ。
そんな声を聞きながら歩いていると、声をかけられた。
「太田監督さん・・・・ですよね?」」
(第3部に つづく=>https://blog.so-net.ne.jp/MyPage/blog/article/edit/input?id=15977152)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (7) 開場2時間前 [映画「ストロベリーフィールズ」]
3年前の11月11日。僕の前作「ストロベリーフィールズ」上映会。
ロケをした地元・和歌山県田辺市での凱旋上映である。
心配は客足だった。その日は雨・・・。
1200人以上入れるホールに、どのくらいの人が来てくれるのか?
映画を見に行こうか?と思っていても、「雨だからやめようか?」ということになるかもしれない。
それ以前に、何カ月も前にロングラン公開が終わった「ストロベリーフィールズ」、存在すら忘れているのではないか?
不安はどんどん膨れて行く。
会場である紀南文化ホール。1階席と2階席がある。両方で1200席!
100人ほどしか来てくれないと、本当に閑散としてしまう。
せめて、まとまって座ってくれることで、それを避けよう。
2階席は使わないことにした。観客は全て1階席に入ってもらう。
開場2時間前・・・・・会場の前に出てみる。
不安の中、開場時間が近づいて来た・・・。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (6)フィルム上映 [映画「ストロベリーフィールズ」]
3年前の11月。僕の前作「ストロベリーフィールズ」凱旋上映。その関係者の方々。
映画人の思い。地元への思い。理解してくれた。「フィルム」上映となった・・。
本当にうれしかった・・。
これで、もう一度、地元の方々に「美しい故郷」を見てもらえる。
そんなことを考えながら、フィルムのチェックをしていたら・・。
今回の上映を企画、推進してくれた先生がやって来た。
「ああ、先生。このシーンです。この排水口。昭和40年代の香りする、僕が大好きな場所なんです。
ここに佐津川愛美や谷村美月たちが、立ったとき。泣きそうでしたよ。
ロケハンで、5年通いました・・・。この場所の素晴らしさ。みんなに伝えたかったです・・」
そんなことを、思わず説明してしまった・・・。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (5)美しい故郷を見せたかった [映画「ストロベリーフィールズ」]
もし、コンサートで、キーが外れたピアノを「弾いてほしい」と、言われたら。
ピアニストがそう言われたら、どうするか? 担当者は言う。
「全部じゃありません。キーが外れてるのは1つです。観客は気付かないですよ」
その人は大したことだと、思っていない。
でも、そんな場合。ピアニストは「弾けません!」と断るはずだ。
ビデオ上映はそれより酷い状態である。キーが半分以上外れているピアノのと同じ。
映画スタッフもピアニストと同じ。アーティストであり、職人。
心血注いで映画を作る人々。
ビデオ上映は、その人たちの努力を踏みつけにする行為なのだ・・・。
いや、スタッフのためだけではない。もっと、大切なことがある。
「ストロベリーフィールズ」での撮影、
スタッフは田辺の町をどうやって、映像にするか?。
血の出る努力をして、最高に美しい田辺を描きだした。
その最高に美しい田辺の映像を、地元の方に見て頂きたいのだ!
「これが田辺ですよ! これが我々の故郷です。本当に美しい町でしょう!」
そう伝えるのも、映画のテーマだった。
だから色の汚いビデオ上映の映像は、見せられない。
見せてはいけないのだ・・・。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (4)心血注ぐスタッフの努力 [映画「ストロベリーフィールズ」]
また、今回のようなイベント上映。
フィルム上映ではなく、ビデオで上映されることがある。
それもビデオ・プロジェクターで、映写されることが多い。
一般の人が聞くと、何のことだか分からないかもしれない。
が、それは映画人の「魂」を踏みつける行為。
ビデオ上映の場合・・・、
スタッフが血の出るのような努力で撮った「美しい映像」、「色」も、「光」も不完全にしか再現できない。
汚く、薄い、見辛い映像・・・クオリティは、本来の半分以下になる。
ビデオはそもそも、モニター(ブラウン管)を通して見るための素材。
テレビで見る分にはまだ問題がないが、プロジェクターを使い、大画面に映写するのは自殺行為。
職人さんが精魂注いで作り上げたワインを、沸騰させてから飲むのと同じでなのだ・・・。
ただ、DLPプロジェクターがあれば、ビデオでの上映でも美しい画面で再現できる。
が、その辺、一般の人は分からないのでDLPではない、ビデオ・プロジェクターで上映する。
もし、それをスタッフが見たら、大いに失望し、胸を痛める。
「こんな汚い映像で上映するのなら、あそこまで努力して美しい映像を撮る必要はなかったんだ・・」
彼らの撮影時の努力。全てを、踏みにじることになるのだ・・。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第2部 (3)映写チェック! [映画「ストロベリーフィールズ」]
ロビーの展示。スタッフの方々にお任せして、
僕は映写テストへ!
本日のメインイベントは映画「ストロベリーフィールズ」上映。
その映写具合を確認する。
と、いうのも、映画館や会館、ホールによって、
光の強さや画格。音のレベル。質が違うからだ。
何も言われないと、映写技師さんがいつもの設定してある状態で映写してしまう。
それで問題のないこともあるが、映画は1本1本、音量レベルや画格が違う。
そのまま映写すると、聞こえるはずの音が聞こえなかったり、
見えるはずのものが切れていたりするのだ。
映画というのは、さまざまなスタッフが努力し作り上げる。
撮影部は美しい映像を撮ろうとがんばる。
照明部は美しい光を作る。録音部は明瞭な音を録ろうとする。それらをスタジオで調整。
ベスト・オブ・ベストの状態にしてある。
だが、映写するときに、間違った画面サイズで上映したり、音量を下げてしまうと、
それらスタッフの苦労は水の泡となる。
だから、一番いいのは、監督が上映館を訪ね、映写状態の確認をさせてもらうこと。
実際、「ストロベリーフィールズ」
公開された日本中の映画館全てまわり、
確認させてもらった。
でも、なかなか、そこまではできないことが多いが、ちょっとした努力をするだけで、
ベストの状態で、お客様に映画を見せられる。
例え、一言のセリフが聞こえないだけでも、スタッフの努力が生きないのはやはり悲しい。
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語。第2部(2)地元青年の宝物! [映画「ストロベリーフィールズ」]
撮影のときに、ボランティアスタッフだった大前君。
この日は、打ち上げのときにTシャツを持って来ていた。
そこには出演者の佐津川愛美、谷村美月、他。多くのキャストのサインと
スタッフのサインが、いっぱい書かれてある。
「僕の一番の宝物です! 火事になっても、これだけは持って逃げます!」
笑顔でそう答える。
撮影当時、彼は大阪の専門学校生だった。
が、「ストロベリーフィールズ」参加をきっかけに、
「故郷・田辺のための仕事をしたい!」
と、大阪で就職するのをやめて、田辺に戻って来た。
1本の映画が故郷愛を呼び起こしたのだ。
1本の映画を作るのは、大変なこと。
でも、その苦労以上に、多くの人の「心」に「大切なもの」を残す。
改めて実感・・。
今回の「書道♡ガールズ」でも、浜松の子供たちの「心」に、何かを残したい・・・。
がんばらねば!
(つづく)
この日は、打ち上げのときにTシャツを持って来ていた。
そこには出演者の佐津川愛美、谷村美月、他。多くのキャストのサインと
スタッフのサインが、いっぱい書かれてある。
「僕の一番の宝物です! 火事になっても、これだけは持って逃げます!」
笑顔でそう答える。
撮影当時、彼は大阪の専門学校生だった。
が、「ストロベリーフィールズ」参加をきっかけに、
「故郷・田辺のための仕事をしたい!」
と、大阪で就職するのをやめて、田辺に戻って来た。
1本の映画が故郷愛を呼び起こしたのだ。
1本の映画を作るのは、大変なこと。
でも、その苦労以上に、多くの人の「心」に「大切なもの」を残す。
改めて実感・・。
今回の「書道♡ガールズ」でも、浜松の子供たちの「心」に、何かを残したい・・・。
がんばらねば!
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語 第2部(1)凱旋上映の準備! [映画「ストロベリーフィールズ」]
今からちょうど、3年前の11月11日のこと。
前作「ストロベリーフィールズ」
の凱旋上映が行われた。朝イチに集合。
主催者側のスタッフ。そしてボランティアのスタッフの方々と共に、僕も準備を始める。
まず、廊下に展示するスチール写真。
地元の田辺市で「ストロベリーフィールズ」が撮影されことを伝える地元紙。
何度も、記事にしてもらった!
東京、大阪、名古屋での公開を伝えるもの。公開初日のスナップ写真。
さらには映画祭に招待されたときの記事。映画雑誌、情報誌の記事。
インタビュー記事。俳優紹介記事。人気投票で1番になったときの記事。
皆が持ち寄ったそれらを、大きなボードに貼り付けて行く。
まさに凱旋上映に、ふさわしい装いとなってきた!
(つづく)