少女たちの映画を撮る理由(下) [メッセージ]
そんな10代の女の子たちの不安
男性たちは、想像したことあるだろうか?
その昔はこう言われた。
「女はいざとなれば結婚すればいいから、気楽でいい!」
でも、今の時代は違う。
離婚するカップルが多く、
女だって1人で生きて行かねばならない。
可愛いだけでは、どうすることもできない。
今は10代の少女でも・・。
いずれは妻となり母となる、
子供たちを育てる日が来る。
その子供たちが日本の未来を築く。
女の子たちにも大きな責任がある。
なのに、将来を担う女の子たちに、誰も大切なことを
伝えていないのではないか?
大人の男たちは少女たちに
「可愛いね!」としか言ってないのではないか?
「ストロベリーフィールズ」
「青い青い空」
それがテーマだった。
「子供たちに伝える大切なこと」
僕が10代の少女たちの物語を作る理由。
厳しい時代を生きる少女たちに向けた
応援歌。
それが「青い青い空」である。
少女たちの映画を撮る理由(中) [メッセージ]
男たちから見向きされない、10代の女の子たち。
結構、大変な人生だ。
自分の「存在」を異性から認知されない。
カッコいい男の子と恋をして・・
そんな青春を過ごせない。
男の子たちが言い寄って来ない。
褒められない。「可愛いね」と言ってもらえない。
映画や漫画の世界で恋を見つめるだけ。
女の子同士の付き合いも大変。グループができるし、イジメがあるし、
些細なことですぐに揉める。
不細工な男の青春も、大変だが、
まだ、男の方が気楽。楽しい青春が送れるのではないか?
可愛い女の子だって大変。
同性からは嫉妬されがち。男には付け回される。
自分の内面を認めてくれるのではなく、
ルックスに憧れて近寄ってくる男性がほとんど。
疑心暗鬼になる。
受験勉強。就職。恋愛。結婚。出産・・と、不安だらけだ。
今回の映画の取材で出会った女子高生。
こう言っていた・・・。
「今の内に手に職をつけておきたいんです。
というのも、私の母は離婚して働いています。
父は私たちの生活を援助するだけの収入がありません。
だから、母が仕事しました。手に職があったので
私は今も高校に通わせてもらっています。
私が結婚したって、離婚するかもしれない。
だから、そのときは1人で生きていけるように
今から手に職をつけておきたいんです」
(つづく)
少女たちの映画を撮る理由(上) [メッセージ]
先日、取材でこう訊かれた。
「太田監督はどうして、10代の少女の映画を撮り続けるんですか?」
これは意外に訊かれない質問。
質問をする前に「どうせ、10代のアイドルが好きなんだろう?
AKB48とかのファンだったりするんじゃない?」
と潜入感で考えるからだ。
そういう輩、結構いる。
しかし、鋭い人はこう言う。
「10代のアイドルが好きという監督の映画は、必ず男性視点がある、
その人物から少女を見つめる。
そこに憧れを描く。でも。太田映画は少女が1人称。
それだと少女に対する憧れではなく、
少女の厳しい現実を描かねばならなくなる。
その技法を使うということは、
少女に対する憧れを映画にしている訳ではない」
その通りだ。
質問をした方も、鋭い人なので、同じように思ったのだろう。
では、なぜ、少女たちの映画を作るのか?
その質問に、こう答えた。
世の男性は10代の少女たち。女子高生に憧れることが多い。
おにゃん子クラブから、モーニング娘。今ならAKB48。
でも、男たちがいう「女の子」というのは、可愛い子のことを指し。
単に「ルックス」を可愛がっているだけのことが多い。
「女の子」といっても、可愛くない子。デカイ子。小さい子。太め。メガネ。
パッとしない子も多い。
けど、男性たちはそんな子たちに興味。を持たない。
「女の子」として認知していないところがある。
そんな子たちは、どんな人生を送っているのか?
男たちは考えない・・。
(つづく)