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日本映画ー3週間で撮影終了?(下) [映画界の話]

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日本映画は2時間の映画を、4週間ほどで撮影する。

 それどころか、ここ数年は3週間が主流になってきた。

 それに対して、アメリカ映画は(韓国映画も)、2~3か月かけて撮影している。

 時間をかけて撮られたものと同じレベルの映像を、4週間で撮るというのも無理がある。

 特に低予算の日本映画。

 「クオリティはいいから、撮り切ればいい!」

 そんな作品が多い。手を抜いているのではない。本当に、そんなギリギリのところで作っている。

 中には1週間。10日で撮影する映画もある。

 そんな期間で、まもともな作品ができる訳もないのだが、

 じっくり準備して撮影するには、膨大な予算が必要となる・・・。

 日本映画の抱える大きな問題である。
 

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日本映画ー3週間で撮影終了?(上) [映画界の話]

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 昨夜は「書道♡ガールズ」のカメラマンと打ち合わせ。

 新たに決まったロケ地などを、どう撮影するか?検討する。

 参考に見てほしいと頼んであった映画「空気人形」も、見てくれていた。

 撮影部ならでは視点で、いろいろ解説してもらう。

 話をしている内に、「空気人形」カメラマンの方法論。

 台湾映画の「言えない秘密」の映像論理と、似ている気がした。調べると同じカメラマン。

 李屏賓(り へいひん)は台湾のカメラマン。台湾の巨匠・侯孝賢の作品などで有名。

 しかし、カメラというのは腕だけではない。機材、時間の比重も大きい。

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 (つづく)




タグ:空気人形
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ホラーファン必読の本? [映画界の話]

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 文庫本が送られてきた。友人の作家・藤ダリオさんが書いた「恐怖はこうして作られる」。実はこの本の執筆時、藤さんより取材を受けた。

 「ホラーものを撮る現場とは、どういう感じなのか?」

 「実際に怖い体験とかは、していないのか?」

 「ホラーではない怖い体験、笑えるエピソードはないか?」

 いろいろとお話させてもらった。どんなふうに書かれているか?と早々に読ませてもらう。脚本家としてもベテランの藤さん。エッセイも見事、うまくアレンジして書いてある。ホラー現場をよく知る僕も「へーーーー」とか思いながら読んでしまった。

 後半戦ではホラー監督たちの座談会。「呪怨」の清水監督、「オールナイトロング」の松村監督らが青春時代に見たホラー映画について話す。
 実はこの座談会。僕も呼んで頂いていたのだが、先のドキュメンタリー番組の取材で参加できず。悔しい思いをした。

 というのも、「ストロベリーフィールズ」のような青春ファンタジー映画を撮っているので、あまりホラーとは縁がないように思われる。
 が、実はブームのときは、ホラーものを何本も監督。「怪談・新耳袋」も4本撮らせてもらっている。

 撮る以上に、ホラーは見るのが大好き。ジョン・カーペンター作品は特に好き。ジョージ・A・ロメオもいい! でも、そもそものルーツは「ウルトラQ」や「怪奇大作戦」かも。
 その辺の話をしだすと、今でも朝までオールナイトだ。それだけに、座談会に参加できなかったこと悔しい。いつかこのブログで、ホラー映画への思いを書き綴る。

 でも、まず、この本を読んでもらえれば、ホラー作りのことがよく分かる。シナリオはどのようにして考え、書かれるのか? 撮影現場での苦労。作家たちの努力。そんなことが分かりやすく、おもしろく書かれている。
 また、日本映画の現場がいかなるものであるか? もよく分かるので、映画ファンの方にもお勧めだ!
 
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物語の作り方/名作に学ぶこと?(下) [映画界の話]

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 ジョージ・ルーカス。子供の頃に見てた「フラッシュ・ゴードン」をリメイクしたかった。が、大物プロデュサーのディノ・デ・ラウレンテスに権利を先に買われた。

 で、オリジナルとして考えたのが「スターウォーズ」。「フラッシュ・ゴードン」を目指して作ったのである。

 その「スターウォーズ」のオープニング(エピソードⅣ)は、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」をイメージして書かれている。有名な話だ。

 そして「ジェダイの復讐」(本当は「帰還」)の惑星エンドアのイウォーク族の戦い。「七人の侍」の百姓と野武士の戦いを、モデルにしている。
 
 こんなふうに物語というのは、過去の作品をモデルにして、或いは影響を受け、憧れた作品を目指して作られることが多い。ただ、日本の場合は、「参考にする」「イメージする」ではなく、完全に真似!焼き直しというのが多い。

 そのせいか、似た作品があると映画ファンや評論家は、すぐに「パクリだ! 真似だ。俺はそれを見抜いた。大したことないんだよ!」と言い出す風潮がある。

 だが、安易にパクった作品は名作と同じパターンなのに、なぜか盛り上がらなかったする。うまい作品は有名な映画をモデルにしても、全然気がつかれずに観客は楽しむ。

 名作と呼ばれる作品には、さまざまな黄金パターンや優れた表現が詰まっているが、安易に真似しても、なかなか同じようには行かない。

 それがうまく行っているなら、パクったのではなく、学んだということだ。混同してはいけない。(ギリギリのものもあるけど)

 そんなふうに脚本家や監督は、名作を研究。どの作品のどんな部分を昇華して、作ったか?見抜き、自分の作品作りに生かす。

 「ああ、****を骨組みにして、この物語を作ったのか? やるなあ!」

 「****の世界観を***に取り入れたのか! よく考えたなあ」

 映画やドラマを見ながら、そう思ったりする。そんな作品。少し紹介する。

(つづく)


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物語の作られ方/名作に学ぶこと?(上) [映画界の話]

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 物語を作るとき。

 作家はまず、目標とする作品。モデルとなる作品。指針となる作品を決めることが多い。

 というと、「他の作品の真似をするの?」「パクるということ?」と言う人もいるだろう。
 でも、そういうことではない。まず、ゼロから新しいものを作り出すことは、至難の技。

 出来たとしても、その作品がおもしろとは限らない。芸術性が高くても、エンタテイメント性がないと映画やドラマにはできない。

 それに映画誕生から100年。また、シェークスピアの世界から考えると、もの凄く長い年月の間、物語は数限りなく作り続けられている。

 そのどれとも似ていない作品を作ることに「価値観」を求めるのではなく、多くの観客が楽しむエンタテイメントを「ビジネス」として作ること。シナリオ・ライターや監督には求められる。

 また、映画やドラマ作りは多くの人が関わる。皆がバラバラのイメージを持っていては、良い作品にはならない。

 脚本家、監督、プロデュサーらが「この作品は***を目指す」とか決めることで、皆が同じ方向を見て進むための指針ともなる。さらに、作家が子供時代に、憧れた作品を目指すというのもある。

 例えば、ジョージ・ルーカスの場合・・。

(つづく)
 



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サムライが生き残っている映画界 [映画界の話]

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 あまり天気がいいので、スニーカーを日干しする。

 ここ数日。続けて、技師さんたちにあった。技師というのは各パート、撮影部。照明部。録音部・・・そんな中のトップのことをいう。撮影部と照明部。

 皆、フリーで映画やドラマを1本契約で担当する。給料制ではなく、1本の作品でいくらか?を決めて仕事をする。ときには信じられないほど安い仕事もある。

 それでもほとんどの技師は手を抜かず、ある予算で「いかにいいものを作ろうか?」と考える。監督業を始めたとき、「ウソだろう! こんな日本人が今も存在するのか?」と驚愕した。

 金、金、金の世の中。厚生労働省のニュースを見ていると、「何なんだ!こいつらは!」と思う。大阪府庁のある職員発言を聞いていると、怒りが込み上げる。

 「安定した給料もらっているのに、あんたたち何? ちゃんと仕事しろよ!」と言いたくなる。

 世の中、そんな輩ばかりに思えて来るが、映画スタッフにはまだ「高いギャラをもらうより、いい作品を作りたい!」という連中がいる。


 だいたい、ダメなのは会社員プロデュサー。話すと必ず殴りたくなる。

 デスノートがあれば、すぐに10人くらいの名前が書ける。そうすれば映画界もよくなるだろう。

 そんなことをよく考える。そんなとき、サムライのような技師連中と続けて会った。

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 彼ら話していると、本当にうれしくなる。一緒に素敵な作品を作りたい!


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日本映画の秘密主義?(下) [映画界の話]

 
 そんな訳で、このブログにも、今、進めている次回作「書道ガールズ」のこと。

 ここしばらく、詳しく書くことができていない。

 心ない人が、いろんなことをいい触れ回り、邪魔をする可能性があるからだ。

 特に僕が何かをした。ということでなくても、

 「監督依頼がある」というだけで恨みを買うこともある。

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 でも、これからも、断片的には書く。

 そして、次回作以外のこともたくさん書き、煙幕を張る。
 
 けど、そこから推理して、次回作がどう展開しているのか? 

 想像してもらうのも、面白いかもしれない。

 映画界は「深く静かに潜航すること」大切。

 スピルバーグを見習う。

(この項、了)





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日本映画の秘密主義?(中)大企業はパクる! [映画界の話]

 監督が自身で企画書を作り、映画関係の会社に持って行く。

 何週間経っても返事がない。訪ねて行き、ふと見るとデスクの上に企画書。

 以前に渡したもの。中身は同じ。

 なのに、タイトルだけ変えられて、その会社の名前が刷り込まれていた。

 無断で盗用し、自社作品として他の会社に売り込んでいたのだ。

 これは実話。昔の香港も顔負け。

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 或いは企画を立て、監督自身が時間と自腹でロケハン。撮影する町も決める。

 それを大会社にプレゼン。会社は「ロケ地がマイナー。うちではできない」という。

 数週間後、担当者は隠れてその町を訪ね、別の映画の撮影交渉をした。

 という話もある。

 スピルバーグやジャッキーチェンではないが、日本映画界も秘密主義で進めないと

 何をされるか分からない。

 製作会社が著作者に無断で、続篇を作ってしまうこともある。

 キャラクターも同じなのに、それは続篇ではないと言い張る。

 信じられないこと、たくさんある。

 (つづく)

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日本映画の秘密主義?(上) [映画界の話]

 スピルバーグやルーカスが、抵抗勢力に邪魔されないように、

 ジェッキー・チェンが、ネタをパクられないようにするのと同じで、

 いや、同じではない。かなり低いレベルで、日本でも似たようなことがある。

 映画の世界では1本。監督するだけでも大変。
 
 監督デビューするだけでも、宝くじに当たったようなもの。

 2本続けて撮ると「嘘だろー!」。と言われる。

 毎年、1本撮ろうものなら、多くの人から嫉妬され、批判される。

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 大ヒット映画を撮らなくても、低予算映画を監督するだけで、非難の対象となる。

 それも何の努力もしない人ほど、人を批判する。

 「裏で悪いことをしているんだ」「あいつの作品は最低だ」「やり方が汚い」
 
 あることないこと。あちこちで言いふらす。

 そんな世界で、次回作は「****」ですとかいうと大変。

 「あれはパクリだ」「あんなのは絶対に当たらない」「あいつは才能ない」とか、あちこちで言われてしまう。

 関係者に「やめた方がいいですよ」と、進言しに行く奴までいる。

 いや、個人だけでなく、大企業でも酷いことをする・・。

 
(つづく)


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ジョージ・ルーカスの秘密主義(下) [映画界の話]

 「帝国の逆襲」以後も、ルーカスの秘密主義は続く。

 「ジェダイの復讐」(当時はこのタイトル)では、イウォーク族が秘密。しばらくは謎の生命体と呼ばれ、形も姿も内密にされていた。

 ひとつには当時からSF関係の雑誌が増え、スクープを狙ったことがある。

 事前に知ると、感動が半減するような情報まで掲載した。

 日本では「スターウォーズ」9部作の全ストーリー判明!という嘘の記事を出すものまであって、僕もまんまと騙された。

 そんな対策のため。映画の面白さを損なわないためにも、秘密主義が必要だったのだ。

 ジャッキー・チェンも、ルーカスも苦労している。

 スケールは違えど、日本でも似たような事情がある・・。

(つづく)




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