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最終回「しゃらら、忘れない」 [epilogue]

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 今、時代は、大きく変わろうとしている。

 そう。「時代は変る」

 今さらだが、このボブ・ディランの歌
 
 歌詞を読むと、「青い青い空」のテーマであることが分かる。

 そのボブ・ディランが、

 アコーステック・ギターを置き、エレキを手にしたこと。

 第二のボブ・ディランと言われた

 ブルース・スプリングスティーン

 アコースティック・ギターで

 「明日なき暴走」を歌ったのは1987年。

 スピルバーグは特撮を使わずに

 文芸作品「カラーパープル」を監督した。

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 僕にとってのそれは、何なのだろうか?

 時代は変る。

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 でも、まだ、風の流れが見えない。

 時代はどこへ、行こうとしているのか?

 そんなことを考えていると、疲れがどっと出て来た。

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 強い睡魔が襲って来る。

 体が崩れ落ちそうな疲労。

 そうだ・・LA出発前夜まで、過労でダウン。

 1週間以上寝込んでいたのだ。それを気力で起き上がりLAへ行った。

 よく5日間。元気だったものだ

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 いや、こんなふうに「気力」だけでがんばるから、駄目なのだ。

 数ヶ月前に医者からドクターストップ。

 「仕事を休んで長期間、静養しなさい」

 「でないと、本当に過労死するぞ!」

 何度もそう言われていた。

 日本へ戻ったら、まずやるべきは・・休むことだ。

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 いつものことだが、1本の映画を作り、公開されると

 溜まっていた疲れが吹き出しダウンして寝込む。

 今回もすでに、そう言う時期なのだ。

 「映画作ったくらいで大げさな、怠け病じゃないの?」

 毎回、そう言われる。

 ・・・・でも、この4年間。いや、20年の戦いで

 心も体も、ボロボロだ。

 しばらくは、療養生活・・・・たぶん、1〜2ヶ月は寝たきり。

 でも、心配しないでほしい。

 しっかり休めば、元気になる。

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 となりの席のfumiさんを見る。機内ビデオを見ているようだ。

 本当に、ありがとう。一緒に来てくれて嬉しかった・・。

 ・・・・さて、眠りに着く前にもう1曲。

 あべさとえ。

 「しゃらら、忘れない」

 イントロのピアノが聴こえて来る。

 窓外の青い空に映える・・。

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 歌詞。今回のテーマソングのようだ。

 「遠い夏の日に この場所で いつかまた会おうね だから元気でね」

 また、涙が溢れそうになる・・。

 日本まであと10時間・・窓外の青い空に告げる。


 やがて、時代の風が吹き出したとき、

 そして、新しい物語が始まったとき。
 
 めぐり来る季節の中で、

 きっと、会おう。そして、また一緒に走りだそう・・。






 (了)







 「LA映画祭篇」最初から読む!
  ここ=>http://takafumiota08.blog.so-net.ne.jp/2011-04-06






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「Time Waits for No One」 [epilogue]

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 窓外は青い青い空が続く。

 iPodを取り出す・・。

 エピローグに相応しい歌は、何か・・。

 やはり・・ローリング・ストーンズ

 まだ、ミック・テイラーがいた頃のアルバム「It's only Roc'nRoll」から

 「Time waits for no one」

 イントロのギターが聴こえてくると・・

 泣きそうになる・・。

 Time waits for no one・・・・時は誰も待ってくれない・・。

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 想い出が加速する。そして、今回のLAの旅が重なる。

 先にも書いたが、今回の目的。

 何よりも映画祭で「青い青い空」をアピール。

 多くの人に見てもらい、その反応を確かめることだった。

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 それは予想以上の反響で、拍手喝采を浴びた。

 「素晴らしい映画だった。他の映画祭にも紹介するよ!」

 何人もの 観客が、声をかけてくれた。

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 多くの観客から握手を求められた。
 
 価値ある渡米といえる。

 でも、さらには、映画作家としての根源を見つめる度になるとは

 予想もしなかった・・。

 そして、この旅が長い長い20年に渡る物語の

 エピローグであることも実感した。

 マラソンのように、LAでスタートして、LAでゴール。

 それを見届けられたこと。とても大切だ。

 ぐるっぽの皆さまには、改めて感謝したい。

 皆さんのお陰です。

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 そして、もうひとつ感じたこと

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 20年の長さ。思い知った。

 長い長い月日だったこと。知った。

 「Time waits for no one」

 想い出の場所がなくなり、知った人たちがいなくなる。

 残されていたのは、わずかな場所だけ。

 ビデオ屋のKさんの消息を考える。

 広島生まれのオデンおじさんの人生を感じる。

 本当に長い長い時間が経っていたのだ。

 「Time waits for no one」

 そして、次に僕が向かうべき場所は・・どこなのだろうか?

 そこでは・・・どんな戦いが・・

 待ち受けているのか・・。

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 (次回、完結!)




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太平洋を越えて日本へ [epilogue]

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 しばらく、窓外を見つめていたが、

 やがて、アメリカ大陸を離れ、海の上に出る。

 ひたすら続く太平洋。

 離陸から1時間ほどで、昼食(夕食?)が運ばれて来る。

 シンガポール航空の食事はなかなか

 この日も、日本風とアメリカ風のチョイス。

 僕は日本風。

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 fumiさんはアメリカ風を選ぶ。

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 行きとは逆の選択。

 東京まで10時間ほどのフライト。

 LAでの様々な・・・想い出が・・・駆け抜けて・・・

 行く・・。

 (つづく)

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離陸〜さらばLA [epilogue]

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 いよいよ、この物語も終わりに近づいた。

 午後3時発。シンガポール航空

 東京行きに乗り込む。

 機内に入ると脱走は不可能。

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 このまま、日本へ帰ることになりそうだ。

 入り口でもらった新聞。

 都知事が決まったことを告げている。

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 このニュースだけで、何だか日本へ引き戻された気がする。

 予定時間に飛行機は離陸。

 窓際の席だったので、ずっと外を見ていた。

 眼下の下。

 LAの町が広がる。

 5日間の想い出が

 20年前の想い出交差して泣きそうになる。

 サンタモニカから海へ出るが、その後、西海岸に沿って北上する。

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 いよいよ、物語も完結する・・。

 (つづく)


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最後の晩餐・・? [epilogue]

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 最後の晩餐・・ではないが、LA最後の昼飯。

 「何がいいですか?」

 fumiさんに、そう訊いた。

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 「さっぱりしたもの!」と今回も言うかと思ったら

 「実は何度も、アメリカには来ているんですが、
 
 一度もケンタッキーフライドチキン。食べたことがなくて」
 
 じゃあ、それで行きましょう!

 でも、ケンタッキーはマクドナルドに比べると、数が少ない。

 探して行かねば見つからない。

 なのに、この日は空港までに4店のケンタッキーを見つける。

 が、時間が押していたので、結局パス。

 レンタカーを返すのに、意外に時間がかかるかも?

 で、最後の晩餐・・いや、昼ご飯は空港にした。

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 これでケンタッキーがあれば、オチになるのだが、

 さすがにそれはなかったが、

 いろんなファーストフードがあった。

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 マクドナルドやピンクスのホットドッグ等。
 
 中には、「スシボーイ」というのまである。

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 ああ、小僧寿司か! LAは何でもある。

 カフェ方式なので、fumiさんと別れてそれぞれに好きなものを買った。
 
 テーブルに戻ると、そこにはスシが!

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 「今日、日本へ戻るという日に、スシ食べますか?
 
 LA最後の昼ご飯ですよ!」

 「いや、見ていると、美味しそうだったんで・・」

 結局、fumiさん。LAに着いた日にスシ。
 
 映画祭の前の日にスシ。翌朝もスシ。そして最終日と
 
 4回もスシを食べている。

 凄い・・。

 僕はマクドナルドのチーズバーガー。

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 一番安かったからだが、

 ま、これも日本で食べられるな・・

 セットにすると、2個ハンバーガーが着いて来た。

 食欲がないので、fumiさんに1個食べてもらう。

 物語完結前なのに、変な展開?

 LAタイムスを見る。一面トップ。

 日本の記事。

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 (つづく)

 


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ハーツでレンターカーを返す [epilogue]

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 空港近くのレンターカー

 ハーツカーレンタルに車を返す

 5日間。LAの足となってくれたNISSANのバーサ。

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 事故ることもなく、よく走ってくれた。

 ハーツからは大型のバスが出ていて、空港まで乗せて行ってくれる。

 行きもこのバスに乗って、ハーツに行くところからスタートした。

 わずか5日前のことなのに

 バスに乗るともう随分前にLAに来て、何年も暮らし

 久々にこのバスに乗ったような気がする。

 fumiさんにそういうと

 「そうですね・・・もう、昔の想い出くらいに前のような気がしますね?」

 本当にそうだ。

 シンガポール航空の発着ゲートで降ろしてもらう。

 3時間前に到着。

 いよいよ、日本に帰ることとなる・・。

 LAに残るなら、ここが最後のチャンスだ・・。

 (つづく)

 
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巨大なドーナッツが目印? [epilogue]

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 この話は誰も分からないと思うが

 まもなく、この旅も、この物語も、このブログも、

 完結するので、書かせてほしい。

 最初、LAに着いたとき、

 あれほど何度も通った空港からダウンタウンの道

 少しだけ迷った。

 それが悔しくて、帰りはその逆コースを選んだ。

 LA空港からダウンタウンへは、フリーウェイを使うのが一般的だが

 僕らは近道を見つけた。地上を走りながらフリーウェイより早く着く道。

 友人が日本から来たとき、

 送るとき。留学生仲間が休暇で日本に帰るとき

 何十回も往復した。

 なのに、空港から延びる道路をどこで曲がるか?

 思い出せなかった。

 左に曲がるのは覚えていたのに、その目印を思いだせない。

 それを最後のガソリンを入れているとき、見つけた。

 写真上の巨大ドーナッツである。

 そうだ・・ここまでラ・シネガ通りを下ってきて

 ここを右だ・・。

 さすがに、この20年間。全く思い出すこともなかった記憶は

 脳細胞の中で、かなり奥にしまわれていたようだ。

 でも、ここまでくれば、もう、空港はすぐそこ。

 「fumiさんを送り届けて、そのままLAに残ろうか?」

 まだ、そんなことを考えていた・・。

 (つづく)

 
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さらば、USC [epilogue]

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 車の窓から、USCのキャンパスを見ながら

 空港へと向かう。

 自転車で車の前を横切り、大学に行く生徒たち。

 僕も同じように、この学校に通った。
 
 そして、20年前もこの大学の横を通り

 空港へと向かった。

 この町へ帰って来るのが、まさか20年後になるとは想像もせず。

 次はいつだろうか?
 
 20年後? 70歳?

 もう、生きていないかもしれない。

 そう考えると、これが人生最後のLAかも・・。

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 人生最後に見つめるUSCかも?

 いや、意外に来年また、映画祭で招待されて来ていたりして、

 でも、最後かもしれない。

 そう考えながら、USCキャンパスの西側の道を走り。

 アダムス通りをさらに西へ

 USCをあとにする。

 この大学があるから、LAに来た。

 そして、ここで映画の勉強をした。

 帰国してから、ここで学んだこと。経験したことを注いで映画を作った。

 そして、このLAで僕の監督作品を上映した。

 そして、今、また、僕は日本に戻る。

 さらば、USC。南カルフォルニア大学・・。

 いつか、また、会う日まで・・。

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 (つづく)

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USCを通って空港へ [epilogue]

 空港へのコースは、

 想い出の場所を次々に通る。

 バージルAvにあるカールスJR。

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 留学中に一番よく通った店舗。英語学校時代も、ここでよく食べた。

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 そこを通り過ぎて、

 ウイルシャー・ブルーバードへ

 今も営業を続ける名画座。旧バガボンドを左に見て

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 フーバー・ストーリートへ

 そこを下ると、正面がUSCだ。

 一番、想い出のある母校を見つめながら、空港へと向かうことになる。

 20年前もこのコース。

 2011年の今、

 同じコースを南へ向かう。

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 (つづく)

 
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デュランデュラン [epilogue]

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 数日前からfumiさんにこんな話をしている。

 「ジャパン・フィルム・フェスティバル。

 まだ、アーバイン会場での上映も残っているし

 僕だけ、残ろうかな? 最終日はfumiさん1人で

 空港へ行ってもらえますか?」

 「駄目ですよ。道が分からないですから!」

 「じゃあ、空港まで一緒に行きますから、
 
 空港で解散ということで?」

 「それなら、大丈夫ですけ・・」

 「そうしようかな・・」

 でも、本当に最終日になってしまった。

 車の窓からLAの景色を見ていると

 デュランデュランのニューアルバム

 広告が出ていた。

 80年代に活躍したバンドだ。

 (つづく)

 
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