過労とリハビリ(下)(2007/08/03) [過労でダウン2007]

前作「ストロベリーフィールズ」の日本各地の公開を全て終え、
今年の春。ホッとしたので、「これは来るぞ・・・」と思った。
ら、新しい仕事が来てまた忙しくなる。また全力疾走。
このまま行くと、今度こそ夏前には過労死するかも・・。
幽霊になって48時間もらっても、もう1本映画を撮るには短すぎる。
と思っていると天の助けか、仕事は春に一時休止。
ほっとすると、疲れがドドッと出て、寝たきりとなった。
結局、睡眠時間を削り、休日返上で休まずに働いたりすると、
ツケは必ず、払わねばならないようだ。
テレビを見る体力すらなかった。
発泡酒レギュラー缶1本で、頭がグルグル。
本を読むことも、音楽を聴くこともない。
何時間寝ても、また寝てしまう。体力がなく、寝たきり状態。
子泣きジジイを、5人背負っているような疲労感。
黒澤明監督は1本終わると入院するというから、
寝込むくらいはまだまだかも?
やはり映画は魂を削る仕事。不可能を可能にする戦い。
特に今回の「ストロベリーフィールズ」
遺作のつもりでかかったので、当然かも・・・。
ただ、そこまでしただけの結果が本当に上がったのか?
公開と反省が多いのも確かだ。
ベッドの上で後悔の日々を過ごすが、
1ヶ月ほど寝たきりになると、少しずつ回復して行く。
いきなり復活はしないが、長くても2ヶ月寝込めば回復に向かう。
もう少し、元気になったら、また、新しい戦いを始める・・。
次は後悔しない戦いをスタートさせる。

過労とリハビリ(中)(2007/08/02) [過労でダウン2007]

寝たきり生活が続く。が、ある友人はこう言う。
「疲れなんて1日寝れば元気なるもんだよ!
本当は怠けているだけじゃないの?」
そんな彼はサラリーマン。1日に3軒営業したら、
「今日は疲れたから、終了!」
と喫茶店で時間を潰す。それでも毎月必ず給料がもらえる。
世渡りもうまい。
映画作りの大変さ。特に1人で製作費集めからスタート。脚本、監督、編集、宣伝まで
1人7人分くらいの仕事を5年も続けると
体も心もボロボロになること。そして残るのは借金の山だけということも。
それが監督業であること。理解するのはむずかしく。
サラリーマン生活の枠内でしか想像できないのだろう。
「だったら、早く病院へ行って治療すればいいだろう?」
という奴もいる。が、過労は病院でもお手上げ。
積もり積もった疲労は、休むことでしか解消されない。
注射1本で元気になるということはない。
疲労の連続で内蔵や血管にかかった負担は、限界を越えると
心不全やクモ膜下出血となり死に至ることが多い。
僕の場合。肝心なときには倒れない。
「ここぞ!」というときは、どんなに疲れを感じていても乗り切る。
が、一段落してホッとすると、疲れがドドッと出てダウンする・・・。
そんなふうに過労で倒れても、それがどんな状態なのか?
ほとんどの人には分からないようである。
(つづく)
過労とリハビリ(上)(2007/08/01) [過労でダウン2007]

ある友人は言う。
「1週間働いたら1日は休め。
1か月休みなく働いたら、1週間は休め。
1年間休みなく働いたら、1か月は休め。
そうしないと人の体は無理が祟って壊れてしまう」
まさに、その通り。
前作「ストロベリーフィールズ」は何年も休みなく仕事を続けた。
監督、脚本家、プロデュサー、製作、編集、資料製作係、宣伝員、etc・・
7人分以上の仕事をやった・・。
ということで、お約束どおり。現在は過労でダウン中・・。
「過労」と聞くと、疲れのひどいやつくらいにしか思わない人が多いが、
「過労死」に繋がるあの「過労」。だから怖い。
よく、新聞やニュースでも取り上げられる。
サラリーマンの夫が朝、家を出るときは元気だったのに、
午後になって妻に電話。旦那が過労死したとの知らせ。
「えーー朝はあんなに元気だったのに!」というアレである。
そう。体はボロボロでも、精神力で持ってしまう!
まわりの人たちも全く気付かず、あるときに限界を超えてしまいバタッ!
先日からそんな状態。過労死にはならなかったが、
寝たきり状態。インスタントコーヒーのお湯を沸かすことも、
友人にメールを打つことも、テレビを見る気力もない。
医者に行くと、こう言われた。
「1か月間、絶対休養。
このまま仕事を続けると、本当に過労死しますよ!」
(つづく)