さらば、真子、さよならみさと・・。 [別れの日]
午前9時半。
出演者たちが発つ。
見送るのは僕と美術部、製作部が1人。そして実行員会の代表。
旅立つは相葉香凛、草刈麻有、橋本わかな、田辺愛美、平沢いずみ。
そして、八代先生役の波岡一喜君だ。
みんなみんな素敵な子たちだった。
本当に、この子たちと映画が作れてよかった・・。
真子であり、みさとであり、三美子であり、トン子であり、ミチルだった。
最高の5人だ。
ああ、忘れてはいけない。デビーを演じてくれたミッシェルもいる。
一人一人と言葉を交わし、抱き合って別れを惜しんだ。
涙がこぼれそうになる。最後の一人が波やん。
「波岡君。ありがとう。波やんにお願いして本当によかった。最高だったよ」
波岡君も笑顔。
「こちらこそ、ありがとうございました!」
前回の「ストロベリーフィールズ」では握手で別れたが、
今回は、男同士で抱き合って別れを惜しんだ。
俳優たち。バンに乗り込む。エンジンがかかり発進。
さよなら、真子、みさと、三美子、トン子、ミチル。さよなら、八代先生。
車が見えなくなるまで、手を振って見送った。
(つづく)
思い出の品。 [別れの日]
美術部さん。制作した美術品を厳選。
かなりの数を浜松に残して行く。
通常なら捨てたり、燃やしたりしてしまうものだが、
映画の記念品になるし、宣伝にも使えるからだ。
真子が書いた書。
みさとが買った雑誌。
真子のお姉さんの婚約写真。
真子やみさとたちの筆。
書道部の看板。
いろんなものがある。
手に取ると、そのひとつ、ひとつに思い出がダブる。
(つづく)
寄せ書き [別れの日]
スタッフで残っているのは
膨大な美術品を片付けねばならない美術部さん。(写真上のお二人)
あと、製作部が1人。そして僕。
ガランとしたスタッフルームにいると、あまりにも寂しい。
荷物を整理していると、(僕の荷物は客室ではなくスタッフルームにある)
相葉香凛ら女優たちが、全員でやってきた。
何かと思うと、シナリオの裏に寄せ書きをしているようで、
僕にも一言書いてほしいというのだ。
撮影最終日あたりから、皆がせっせと書いていたアレだ。
ガールズたちは列を作り、僕は順にサイン。
美術部さんに「何だか、監督のサイン会みたいね?」と言われる。
その女優たちとも、間もなくお別れだ。
(つづく)
さらば、素晴らしき活動屋たち(下) [別れの日]
俳優たちだけでなく、地元実行委員会の方々もお見送り。
何だか、「七人の侍」のラストシーンのようだ。
都で集められた侍たち。村を守り、野武士と戦い。
平和を取り戻すと帰って行く。
「勝ったのは我々ではない」
勘兵衛の台詞が思い出される。
浜松の人々と書道ガールズたちに見送られて、
ロケバスは東京に向かって出発した。
(つづく)
さらば、素晴らしき活動屋たち(上) [別れの日]
荷物と機材の積み込みが終わり、最後の挨拶。
各パートの技師、そして助手の1人1人と握手。
「長い間、本当にありがとう!」
心から感謝。泣きそうになる・・。
こんなとき、いつもは1人2人は
「二度と仕事しないからな!」
と思う奴がいるものだが、
今回は皆、素敵な活動屋さんばかり。本当に助けられた。
そこに女優グループがやってきた。
朝早い時間なのに、お世話になったスタッフを見送ろうというだ。
(つづく)
さよなら、仲間たち [別れの日]
午前7時半。ホテル前。
各パートが機材や荷物を積み込む。
いよいよ、お別れだ。
通常はスタッフ&キャスト。みんな一緒に発つ。
或は俳優たちが先に発つことが多い。
が、今回はスタッフが7時半。俳優部が9時である。
(つづく)
田辺愛美が新聞記事に! [別れの日]
これは昨日の新聞だが、
トン子役の田辺愛美が記事になった。浜松出身。
主人公の1人。書道の達人(?)の役。
もともと、舞台演劇で活躍していたが、
妻夫木聡とのCMなどでも話題を呼んだ。
浜松をアピールするためにも
ぜひ、トン子を、やらまいか大使に起用して上げてほしい。
(つづく)
新聞に撮影終了の記事 [別れの日]
地元新聞に撮影終了の記事が出た。
僕もその際に取材を受けた。
そのときに、こんな話をする。
これまでの記事を読んでいると、東京の映画会社が浜松でロケした
という感じの文章が多い。
でも、今回は浜松市民が中心となり、製作費を集め、
子供たちに伝える大切なことをテーマに作る映画。
東京の企業が地方ロケした作品ではない。
だから、通常の映画のように監督や俳優の話を取り上げるより、
ぜひ、地元で活躍した委員会のメンバーや
ボランティアで参加した大学生、出演した高校生の話
取り上げてほしい。そう思って、地元の方々の活躍を話した。
その記者さん。なかなか素敵な方で、そんな記事を書いてくれた。
ありがとうございます。
必ず、日本中に届く作品になるはずだ。
(つづく)
最後の朝食 [別れの日]
朝ご飯。今朝はおにぎりではなく、
宿舎であるホテルの朝食。
豪華バイキング!
さまざまな料理が並ぶのを自由に取れる。
うれしい思いもあるが、これが皆と食べる最後の朝食。
やはり、寂しいものがある。
スタッフ&キャストは帰京するが、僕は残ってあと片付けと挨拶まわり。
まだまだ、体力が必要。思いっきり食べる。
写真下が僕がとった朝食。その下が他のスタッフ。
(つづく)