続・一般オーディションで合格したKさん(7)撮影開始! [映画「ストロベリーフィールズ」]
監督の号令と共に、何十人もエキストラが一斉に動き出す。
走る生徒。しゃべりながら歩く生徒。
挨拶をして来る生徒。
でも、垣内さんは監督の指示通りに無視。
今度はピンクの服を着た女性の先生が挨拶。
これには返礼。急いで頭を下げる。
あとは窓を拭き続ける。
芝居をしているというより、本当に窓ふきをしている気分。
「カットーーーーーーーーーーーぉ!」
太田監督の大きな声が響くと、歩いていたエキストラの生徒さんたち立ち止まる。
「はーーーー緊張するわー」
ざわめきが起こる。そこに・・
「オーーーーーーーーケーーーーーーーー!」
監督の声。OKになったようだ。
こうして垣内さんの初出演シーン。意外にあっさり終わる。
「思ってたより、簡単やなあ・・」
田辺のデ・ニーロとしては、余裕だった。
あとの出番は、午後からだ・・・。
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
続・一般オーディションで合格したKさん(6)これが映画撮影 [映画「ストロベリーフィールズ」]
太田監督の説明は、続く。
「そこに用務員・古本さんのキャラクターと背景が見えるようにしたいんです。
後日、撮影する『天国への階段』シーンでの台詞にも関係してきます。
よろしく、お願いします!」
監督は早口でしゃべるだけ、しゃべったら、カメラの方へ走って行った。
これが映画の撮影か・・
「紀州弁慶保存会での芝居の稽古と同じや。
監督が説明して、俳優がその方向で演じる。楽勝や・・・」
余裕が生まれる。
カメラの横に戻った監督、何やら助監督さんと話す。
そして、その人が大声で言う。
「テストなしで、いきなり本番!」
いきなり本番?!
と思うところだが、垣内さん。意外に緊張もせず余裕を感じる。
そして監督が、大きな声でこういう。
「よーい、スタートぉ!」
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
「そこに用務員・古本さんのキャラクターと背景が見えるようにしたいんです。
後日、撮影する『天国への階段』シーンでの台詞にも関係してきます。
よろしく、お願いします!」
監督は早口でしゃべるだけ、しゃべったら、カメラの方へ走って行った。
これが映画の撮影か・・
「紀州弁慶保存会での芝居の稽古と同じや。
監督が説明して、俳優がその方向で演じる。楽勝や・・・」
余裕が生まれる。
カメラの横に戻った監督、何やら助監督さんと話す。
そして、その人が大声で言う。
「テストなしで、いきなり本番!」
いきなり本番?!
と思うところだが、垣内さん。意外に緊張もせず余裕を感じる。
そして監督が、大きな声でこういう。
「よーい、スタートぉ!」
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
続・一般オーディションで合格したKさん(5)監督からの指示 [映画「ストロベリーフィールズ」]
用務員役の垣内さん。地元田辺市オーディションで合格。
映画「ストロベリーフィールズ」に出演する。
いよいよ、撮影だ。カメラがこちらを向いている。
垣内さん。指示された廊下の窓際に立つ!
エキストラの生徒さんたちが、離れて待機。
いつでも動き出せるようになっている。
カメラはかなり遠くにある。そこから窓際の垣内さんを狙う。
その彼の前を生徒たちが行き来する、というシーンだ。
カメラの横、太田監督がいる。
地元のオーディションで会って以来だが、
インディジョーンズのような帽子を被っているので目立ち、すぐ分かった。
その太田監督。走って来た。そして場面の説明を始める。
「垣内さん。このシーンですけど、
朝の始業開始ベルが鳴る前で、登校して来る生徒がまだいる時間。
そこで窓の汚れを拭いている場面です。
生徒たちの何人かは挨拶するんですけど、全部、憮然として無視してください。
でも、途中で女の先生が来て挨拶するので、
そのときは急に恐縮して笑顔で、挨拶を返してください!」
(つづく)
ロケした学校の写真ー「ストロベリーフィールズ写真館」=>http://pht.so-net.ne.jp/photo/strawberry-photo/albums/123813
続・一般オーディションで合格したKさん(4)本物の俳優と思われる! [映画「ストロベリーフィールズ」]
ロケ現場は、もの凄い緊張感!!!
遠巻きに見つめる地元の人たちの話。垣内さんにも、聞こえてくる。
「あの用務員の俳優さん。吉本興業の人らしでぇ!」
「ああ、なんか、そういう感じやなあ。ええ味だしてるで〜。本物の用務員みたいや!」
実はスタッフの中にも、垣内さんがプロの俳優でないことを知らない人がいた。
「何か、この学校の用務員さんが、撮影を覗きに来てるのかなあ〜と思ってた。
ら、用務員役の人だったんですね?」
日頃はネクタイにスーツの営業マンなのに、今は誰の目にも用務員にしか見えない。
実はそれ、凄いことなのだ。
違う職業の服を着ても、似合う。というのは一般の人にはできない。
さすが、のちに「田辺のデ・ニーロと呼ばれる人だ。
この辺から垣内さんの「伝説」も始まる・・
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
続・一般オーディションで合格したKさん(3)撮影現場へ! [映画「ストロベリーフィールズ」]
撮影。すでに始まっているようだ。
スタッフさんの話だと、
俳優の出ない、朝の廊下や下駄箱シーンを撮っているとのこと。
図書室にいても、
監督の「よーーーい、スタートぉ!」という大きな声が聞こえてくる。
図書室のドアが開く。助監督さんが呼びに来た。
「用務員・古本役の垣内さん! お願いします!」
「いよいよ、出番かあ・・・」
垣内さんの最初の出演シーンはこれ・・。
朝、始業ベルが鳴る前、生徒がまだ廊下をウロウロしているところで、
用務員として、窓ガラスを直す場面。
撮影現場に着くと、多くの見物人がいた。
そして数多くのスタッフが自分を見ている。
もの凄い数の目が、垣内さんを見つめていた・・・・。
もの凄いプレッシャーである!
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
続・一般オーディションで合格したKさん(2)懐かしい場所でロケ! [映画「ストロベリーフィールズ」]
この日はクランクイン。映画撮影の初日。
控え室で待つ垣内さん。
有名な俳優さんと共に出番を待ちながら、いろんなことを思う。
今日の撮影場所の東陽中学。
ここは垣内さんの母校でもある。
今から20数年前、この学校に毎日通った。
隅から隅まで知り尽くしている。
いろんな想い出がある。
木造校舎は夏、暑く。冬は寒かった・・・。
木造校舎で古いが、美しい学校だ。
「でも、鉄筋の校舎やったらなあ・・・」
と、あの頃は思っていた。
その木造校舎。来年にはついに取り壊される。
さまざまな想い出が詰まった建物。なくなってしまう。
中学時代は何も感じなかったが、なくなるとなると淋しい。
その木造校舎で映画撮影があり、それに自分が出演するということ。
感じることがある。
教室で勉強。運動場で体育。
弁当を食べたこと。先生に叱られたこと。
友達とケンカしたこと。
いろんな想い出でいっぱい・・。
そんな思い出の場所で、俳優として出演する。
それも学校で働いている用務員の役。
それもオーディションで選ばれた。
十数人いるグループの中から演劇経験のない自分が選ばれた。
何かの縁なのか? とても不思議だ・・。
まさかこんなことになるなんて・・・あの頃には想像すらしなかった。
感慨深く、嬉しくも、少し緊張・・・。
その間にも、出番の時間が近づいて来る・・。
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
続・一般オーディションで合格したKさん(1)人気女優が目の前に! [映画「ストロベリーフィールズ」]
映画「ストロベリーフィールズ」
和歌山県田辺市で行われた一般オーディション。
そこで合格した会社員・垣内さん。映画に撮影に参加。
初日の学校ロケで、控え室で待っている。
同じ部屋。見るからに可愛い子がいる。
佐津川愛美という10代の女優。
あとで聞いた話、
佐津川さんが出演しているドラマ、「がんばっていきまっしょい!」
ついこの間まで、放送されていた大人気ドラマ。
女子高生が、ボート部でがんばる物語。
鈴木杏、相武紗季、岩佐真悠子、
そして今回の映画「ストロベリーフィールズ」で主役を演じる佐津川愛美。
以前に映画にもなった同名小説のドラマ化。
控え室で垣内さんに話しかけてきた田辺高校の子、毎週欠かさず見ている。
そのドラマのメインキャラの1人である姫役が、今、目の前にいる。
「わーーー凄い! 姫がいる!!」
田辺高校の子。密かにはしゃいでいた。
「やっぱり映画の撮影なんやなあ。有名な俳優さんがいっぱい来てるんや・・」
そんな、せっかくの機会。俳優さんの出演作品を事前に調べて、見て・・
「・・予習しておけば・・よかった・・」
そう思うが、手遅れ・・。
(つづく)
「書道♡ガールズ」浜松オーディション。一般出演者募集!
明日、締め切り!
まだ間に合う。応募しよう!=>http://eiga.hamazo.tv/e1930553.html
11月11日、「1」が4つ並ぶ日・第3部 (5)親と子が一緒に! [映画「ストロベリーフィールズ」]
そして当日。紀南文化会館の玄関口、そこにできた長い列。
声をかけてくれたのが、その東陽中学の先生だったのである。
「監督。始めまして! でも、ブログの写真や紀伊民報の写真で知ってたので、声をかけさせてもらいました!
ここにいる子らが、東陽の1年生です」
そういって、指差した方向に200人に超える子供たちが、遠足に出発するときにように集まっていた。
中学1年生。13歳から14歳。
僕が「ストロベリー」を見てほしかった一番若い世代。
大切なテーマを伝えたかった世代が、こんなにたくさん来てくれた・・・。
感無量・・・。
いや、子供たちだけではない、親の世代の人たち。
父親、母親、おじいちゃん、おばあちゃんも、列に並んでいる。
まさに「親と子」が一緒になって、映画を見に来てくれたのだ・・・。
こんな嬉しいこと・・・・どう表現すればいいのだろう・・・。
そして、今、思うと、次回作のテーマも、
このときに、スタートしていたと思える・・・。
(この項、了)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日・第3部 (4)中学校の1年生全員で! [映画「ストロベリーフィールズ」]
3年前の11月11日の話。続ける・・。
電話をくれた東陽中学の先生に答えた。
「実は11月11日に紀南文化会館で『ストロベリーフィールズ』の凱旋上映があるんです!
その前後なら特別授業に行かせてもらうこと。できます!」
先生。声を上げる。
「わーーーーーーー奇遇ですね! 何か神様のめぐりあわせみたいです!
絶対に無理やと思って電話したんですけど、うれしいです。
ほんなら、職員会議で、その上映会に、学年全員で見に行く提案をしてみます!」
後日、1年生全員が僕の監督作「ストロベリーフィールズ」を見に来てくれることになった!
(つづく)
11月11日、「1」が4つ並ぶ日の物語・第3部 (3)教育者の方々からの声 [映画「ストロベリーフィールズ」]
「ストロベリーフィールズ」。当初、地元では誰1人、賛同してくれずに難航。
「映画だけはアカン。協力できません!」
と言われ続けた。2年、町に通って、
ようやく応援してもらえるようになった・・・。
結局、スタートから完成まで、6年かかった・・・。
本当に辛い6年だった・・・・。
でも、その瞬間。全てが報われたと思えた・・・。
親と子へのメッセージは伝わったのである。
それも教育者の人たちが賛同。
理解してくれたのだ。
そして映画だけではなく、僕自身の話まで聞きたいと言ってくれた。
その先生方からの依頼を聞いたとき、
本当に泣きそうになった・・。
それも1人ではない、複数の先生方が同じことを思いつき連絡をくれた。
「この映画を生徒たちに見せたい!」
「それを作った監督の話、生徒たちに聞かせたい!」
そう考えてくれたのである・・・。
監督として、映画作家として、
こんな嬉しいことはなかった・・・・。
(つづく)