マイケル・ムーアの「キャピタリズム」(中) [映画感想]
マイケル・ムーアは、資本主義を様々な角度から検証。
ドキュキュメンタリーとして描いて行く。
その流れの中で、アメリカという国。資本主義というものが見えて来る。
大学時代。僕はアメリカにいた。
(写真上、僕が学んだ南カルフォルニア大学。通称USC)
そこで痛感したことだが、本当に金、金、金の国である。
金持ちになること。それがアメリカ人の夢なのだ。
だから、高いレベルの教育を受ける。そのために金がかかる。
注ぎ込んだ多額の教育を回収し、金持ちになるために
マイケル・ムーアが指摘するように、皆、ウォール街を目指すのである。
その結果が、リーマン・ショックであり、
100年に1度の大不況なのだ。
ここまでなら「報道ステーション」の特集でも描ける・・。
だが、ここからマイケル・ムーア監督は、独自の表現を始めるのだ。
(つづく)
マイケル・ムーアの「キャピタリズム」(上)泣けるドキュメンタリー [映画感想]
マイケル・ムーア監督。少し前までは「電波少年」の松村邦洋ばりに
アポ無し、突撃インタビューの人という印象があった。
(写真上も、そのイメージで、笑えるドキュメンタリーという看板になっている)
もちろん、題材はバラエティではなく社会派ドキュメンタリー。
笑えて、社会問題を学べる作品である。
でも、前作の「シッコ」で、まさかの大感動。最後は涙してしまった。
それがあったので、今回は注目。
僕自身もテレビで書道のドキュメンタリー番組を担当したりするので
余計に興味があった。
今回、マイケル・ムーア監督が選んだ題材、
キャピタリズム=資本主義。
金儲けのみに奔走するアメリカ、という国を描いたものだ。
(つづく)
映画「ロストガール」を見た! [映画感想]
野球選手にとって、練習は仕事である。
小説家なら、自分で書くばかりでなく、他の人が書いた小説を読むのも仕事。
同じ様に映画監督は、映画を見るのも仕事。
忙しくても、新しい作品を見ておくこと大切なのだ。
先月になるが「ロストガール」という映画を見た。
とても力のある演出で、見る者を引きずって行く。
巨額の製作費をかけなくても、人をまっすぐに見つめた良質な作品が作れること。
強く感じた。
タグ:田辺愛美
映画「おとうと」見た! [映画感想]
前作「かあべえ」の鶴瓶さん。凄くよかった!
初期の寅さんが乗り移ったかのような、嫌なオヤジ。
映画自体もよかったが、鶴瓶さんとてもよかった。
そして今回は「おとうと」ということで、予感があった。
それは的中。前回、以上に素晴らしい作品だった。
「男はつらいよ」完結編といってもいい物語。
前半の鶴瓶は本当に嫌なヤツ。なのに、後半は哀れでならない。
大阪のシーンはボロボロと涙が流れる。涙が流れ続ける。
そして、また最後の芝居と台詞に泣かされる。
山田洋次監督。これまでにもの凄い名作群を撮って来たのに
今もなお、名作を作り続けている。凄い監督です・・。
映画「母なる証明」 [映画感想]
タイトルといい、内容といい、どうなのかなあ?
と、不安があった。でも、あの名作「殺人の追憶」のポン・ジュノ監督だ。
けど、「グエムル」は首を捻った。今回はどうか? そんなことを考えながら見る。
文句の付け用の無い名作!
黒澤明が初期に撮った「酔いどれ天使」「野良犬」のようなリアリティと重さ、熱さ。
大きな石で、何度も殴られるようなショック。
よくぞ、あの凄惨な結末を考えたものだ。
打ちのめされる。カメラも素晴らしい!
特にあのラストカット。あんな終わり方をするとは・・・凄い。
「参りました」の一編。名作と呼ぶにふさわしい作品。
映画の話を少しばかり [映画感想]
この数日また、もの凄く集中せねばならない仕事をしている。
いずれ詳しく説明する。
といって、何も書かないのは寂しい。
なので、すでに書いていたが、アップできていなかった映画の話。
続けて、掲載して行く。
映画を見るのも、監督の仕事。
特に撮影が近づくと、映画を見ることは大切。
そんな話。読んで頂きたい。
(つづく)
映画「アバター」を見る! [映画感想]
浜松に来ているのに、年賀状書き、「書道♡ガールズ」のデスクワーク。
大晦日、元日と仕事が続いている。
あまりに疲れるので、気分展開に映画を見る。
いい具合に今日は、映画の日。
ザザシティへ行き、映画を選ぶ。
ジェームズ・キャメロン監督の久々の新作「アバター」
予告編を見て、感じるものがなかったが、なかなかの作品。
キャメロンはアメリカの宮崎駿だ。テーマが凄い。
「トトロ」で、「ナウシカ」で、「ラピュタ」だ。
また、作品自体が実写映画なのだが、アニメでしか見たことのない世界。
しかし、キャメロンが目指したのは、惑星版の「アラビアのロレンス」だろう。
アメリカ移民VSインディアン
ベトナム戦争。そして、アラビア民族とイギリス軍。
さまざまな構図が物語にダブる・・。
胸を打つ、テーマと物語。涙が零れるクライマックス。壮大なスケールとバトル。
3時間の長尺もの。おまけに30D映画。一大巨編。
素晴らしい作品だ。
タグ:アバター ジェームズ・キャメロン
映画「空気人形」 素晴らしかった。 [映画感想]
(これから見ようと思っている方。ぜひ、見たあとにこのページをお読み下さい)
予告編を見たとき、予感がした。それも「誰も知らない」の監督だ。
主役に「復讐者に憐みを」のぺ・ドゥナ・・・・・・やられたという感じ。
予感は見事に的中。素敵な作品だった。
オープニング。まだ、タイトルが出る前の風景。赤茶けたトタン板のアパート。
物語がまだ始まっていない、そのシーンでもう涙が溢れそうになる。
ぺ・ドゥナが船に乗るシーン・・・もの凄い。
撮影現場でその場にいた人たちも、
あそこまで凄いシーンになると、想像しなかったに違いない。
「リンダ・リンダ・リンダ」の文化祭前夜の場面でも、そうだった。
ぺ・ドゥナは1人で何かを始めると、自分の世界を作り上げてしまう。
その彼女に、この役を演じさせた監督のセンスが凄い。
そして、オダギリジョーの場面が素晴らしい。
これほどまでに切ない「おかえりなさい」「ただいま」
「いってらっしゃい」「いってきます」があっただろうか?
人は皆、代用品。でも、自分ならではの意味を求める。
しかし、ほとんどは「燃えるゴミ」として終わってしまう・・。
「燃えないゴミ」になる空気人形と同じ。
人が生きる意味を空気人形という素材で描く。その着想が素晴らしい!
登場人物は皆、代替え品ではない自分を探し、生きようとする。
でも、それを見つけられる者はいない。
劇中にポスターで登場するトリフォーの「大人は分かってくれない」にも似た空虚な思い。
海の中で振り向いた少年の気持ち。
だとしても、燃えないゴミに出される空気人形として命尽きるとも・・、
タンポポの胞子のように、飛び立ち、どこかで花を咲かせ、誰かに希望を与えるはず・・。
そう物語は告げている。
「誰も知らない」もそうだったけど、
この監督の作品。いつもレンガで顔面を何度も殴られたような感じ。
3日ほど立ち直れない・・。
今は「仁義なき戦い」のテーマを聴くと、泣きそうになる・・。
タグ:空気人形
「悪夢のエレベーター」を見た。 [映画感想]
僕の監督作「ストロベリーフィールズ」に出てもらった
佐津川愛美さんが出演している映画「悪夢のエレベーター」を見た。
今年、映画では「鈍獣」「泣きたいときのクスリ」
舞台は「来来来来」
そして、テレビドラマは先日の水谷豊・主演のスペシャルドラマ。
相変わらず活躍中!
そして、さっちゃんが凄いのは、作品によってキャラが全く違うこと。
それが所以で、「ストロベリー」時代から日本のジョディ・フォスターと、僕は呼ぶ。
さて、今回の「悪夢のエレベーター」では・・・・・こう感じる。
ホラーもできるなあ、コメディもできるし、可愛い子系もできる・・・。
相変わらず、恐るべき天才少女・・。
この映画。物語も二転三転するが、佐津川愛美の二転三転の方が凄い。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・破』であの曲が? [映画感想]
今回の「ヱヴァ」で面白かったこと。
物語以外にもいくつかある。
まず、劇中。携帯(ミサト)の呼び出し音。
「ウルトラセブン」のウルトラ警備隊の電話の呼び出し音と同じ。
(ちなみに、さらに元ネタは、キングギドラの鳴き声です)
そして、慎二の日常を描くカットで流れる音楽。
「太陽を盗んだ男」と同じ曲。
さらに、綾波と碇指令が食事するシーンで流れる音楽。
フェルナンド・ソルの曲をピアノで演奏したもの。
その曲は「怪奇大作戦」の「京都買います」で流れたもの。
たぶん、庵野監督の趣味だろう。僕も同じ世代で、似たような趣味なので気づいた。
突然に「太陽を盗んだ男」の曲が流れて、思わぬ感動!
サントラ版も持っているし?