映画作りは「好きになること」から始める(10)まず、愛から・・ [製作準備!]
まず、歩いて行けるところ、まわった。
次に、バスや電車を使えば行けるところ。
観光ガイドに載っている場所。
ガイドブックに載っていない場所。
10か月間。浜松の様々なところを訪れた。素敵な風景がたくさんあった。
「好きになる努力」必要なかった。物凄く魅力的な街だ。
この町で「書道♡ガールズ」を撮影したい!
映画の中に登場する風景。楽しみにしていてくれ。
必ず、素晴らしいものとなる。
映画作り。まず「愛」から始まる。今回も同じだ。
映画作りは「好きになること」から始める(9)ロケハン [製作準備!]
浜松ロケハン。今年の1月からスタート。
今回も「ストロベリーフィールズ」のときと同じように、
まず、監督である僕自身が浜松ロケハンをスタートさせた。
全てのゴーサインが出る前からロケハンを始める。
打ち合わせに浜松に来るたびに、町を歩いてまわった。
というのも、正式に映画がスタートしてからでは遅いのだ。
また、夏に撮影するにしても、その前の冬や春も経験しておきたいのだ。
(つづく)
映画作りは「好きになること」から始める(8)ロケ場所の春夏秋冬 [製作準備!]
結局、5年間。地元に通った。
そのたびにロケハン。
同じ場所の春夏秋冬、
そして、朝昼晩。
さらに、晴れ、雨、曇り
の全てを見た。そうやって撮影場所を決めた。
何度も写真を撮り、その場所で何時間も佇んだ。
そうやって決めた場所。
映画を見た観客から、風景が素晴らしかったと言ってもらえた。
その場所を監督が愛すれば、その場所も微笑んでくれるのだ。
ロケ場所も、俳優も同じ。愛がなければダメなのだ。
だから、今回の「書道♡ガールズ」も、ロケ地である浜松を好きになることから始めた!
(つづく)
映画作りは「好きになること」から始める(7)ストロベリーフィールズのとき [製作準備!]
前作「ストロベリーフィールズ」のときも、そうだ。
故郷とはいえ、そこで生まれ育った訳ではない。
4歳までしか住んでいなかった。だから、1から田辺市の勉強を始めた。
歴史や地理を勉強。でも、本やネットで調べるだけではダメ。
知識より体で感じることが大切。
まず、町を徹底して歩く。有名な場所や由緒あるところを訪ねる。
映画で使えそうな場所以外も訪ねる。
春夏秋冬の町の顔を知る。
同じ場所でも朝昼晩と顔が違うのだ・・。
(つづく)
映画作りは「好きになること」から始める(6)超大作ではない [製作準備!]
何億もかけた超大作。有名俳優が勢揃い、物凄いCGで映像を見せる。
大宣伝!! 客はある程度来る。
でも、僕が参加する作品。超大作ではない。通常予算の映画。
企業映画と同じ気持ちでいてはいけない。
有名俳優は出ない。CGもろくに使えない。大爆発も戦闘シーンもない。
公開時の宣伝も、バンバンできない。
そんな中で勝負するには、良質の感動作を作るしかない。
だから、僕が映画を撮るとき。徹底して町を把握する。
影の主役である「街」を描かなければ、素晴らしい作品にはならない。
「ストロベリーフィールズ」のときも、そう思って行動した・・・。
(つづく)
映画作りは「好きになること」から始める(5)通常のロケハン・・ [製作準備!]
製作会社は目に見えない効果には、経費を払わないという体質がある。
当然「町を好きになる」なんてことに金も時間も使わない。
「そんなことをしなくても、女優やロケ地の魅力を引き出すのが名監督だ」
とか勘違いしている。それが大きな間違い。好きになることで魅力を引き出せるのだ。
それは先に紹介した大林監督の作品。W・アレン。Mスコッセッシの作品で証明されている。
だが、監督たちも自腹を切ってまで、ロケ地を訪れたりしない。
好きになる努力をしない。
だから、風景は美しいが、血の通わない町が描かれた映画が多いのだ。
もちろん、町に愛情がなくても成立する映画もあるにはある・・。
(つづく)
続・「映画作りは「好きになること」から始める(4)企業映画の場合 [製作準備!]
スケジュール的にいうと、まず、制作部がロケ地候補を探す。
それが見つかったあと、監督が同行、2〜3日で現地を回り、撮影場所を決める。
ときには制作部から、こういわれる。
「この場所。今は夜で何も見えませんけど、朝はとても素敵なんです」
昼のシーンを朝見せられるときもある。そんな状況でロケ地を決める。
そして、次に現地を訪れるのは撮影のとき。
そこでは芝居を見て演出するだけ。
そんなことで撮影して、町が魅力的に見える訳がない。
町が魅力的に見えることで、物語も魅力的になるのだ。
(つづく)
続・映画作りは「好きになること」から始める(3)通常のロケハン・・ [製作準備!]
映画の撮影する町を、監督自身が知る事。好きになる事。
作品を作る上で、とても大切なのだ。
地方を舞台にした映画を見ていると、風景は奇麗だが、
何か感動がなく、伝わるものがない作品が多い。
観光地の絵ハガキと同じで、キレイだが心に届かない。
でも、それは当然。
映画というのは、監督が好きにならないと風景も人物も輝かないのだ。
先にも俳優の話を書いたが、ロケ地も同じ。
だが、一般の企業映画では監督がロケ地を好きになる時間、ほとんどないのが現実・・・
(つづく)
続・「映画作りは「好きになること」から始める(2)ロケ地は影の主役 [製作準備!]
NY出身で、NYを愛するウッディ・アレンやマーティン・スコッセッシ監督が
NYを撮ると素晴らしいのと同じ。
ロケ地はもう1人の主人公。
決して前面には出て来ないけど、隠れた影の主役である。
その町を知ること。把握すること。好きになること。とても大切!
なのに、何億もかけて製作される企業映画。それを実践しない。
監督がちょっと労力を使い、事前に町を訪ね、地元を歩きまわり、
町の人と交流を持ち、名産を食べるだけでも違うのに、
それをしようとしないのだ・・。
(つづく)
続・「映画作りは「好きになること」から始める(1)ロケ地を好きになる [製作準備!]
「映画は好きになることから始める」という話。以前に書いた。
知る。把握する。そして好きになる・・・主演俳優はまさにそれである。
そして、ロケ地も同じ・・・。
大林監督の尾道シリーズ。
「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」・・・・・・・、
風景が素晴らしいから、美しい風景が撮れたのではない。
そこが大林監督が生まれ育った町だから。
監督が知り尽くした町だから。
故郷への愛があるから・・。
だから、映画も輝いたのだ・・・・。
(つづく)
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