ミチル/「青い青い空」以前の物語(5)土曜日の実験室 [ミチル/青い青い空以前の物語]
化学実験室。
覗いてみると、袴田先生が1人。
CDを聴きながら授業の準備をしている。
ミチル。声をかけた。
「先生。ピンクフロイド・・・好きなんですか?」
「おーーーー、そういう君は、ピンクフロイドを知っているの?」
「ミチルです。名前で呼んでください」
「じゃあ、ミチル。ピンクフロイド聴くの?」
「『ザ・ウォール』と「ダークサイド・オブ・ザ・ムーン』好きですから」
「若いのにスゴイなあ・・・・・面白い子だね?」
「でも、面白くありません。この学校は・・」
それからミチルは休憩時間になると、実験室に行き。
袴田先生と話をした。
「先生、この学校、やっぱり面白くない・・」
毎回、そう言ってしまう。
袴田先生、いろんな話をしてくれた。
教師という仕事も大変。
立て前ばかりの教師たち。モンスターペアレンツ。
生徒を何人有名校に送れるか?
それで採点される教師人生。
だから、教師同士の付き合いを拒否。
授業が終わっても、この実験室にいるのだ。
「何だか、私と似ている・・」
そんなとき、アメリカ人の先生がやって来た・・
(つづく)