プロデュサーをやってほしい?(5)CIAのような仕事 [太田監督/その後?]
さて、僕がそんなプロデュサー業をどうこなしたか?
それを書くとまた長くなるので、また別の機会に譲りたい。
が、ひとつだけ確信したことがある。
Pというのはトラブルバスターだということ。
FBI的な能力が必要だということだ。
トラブルが起こってしまったら、すみやかに処理。
それも単に止めるだけではなく、原因は何か? いつから問題が起きていたのか?
人間関係か? 価値観の相違か? 経済問題か?
様々な角度から検討。
同じトラブルが起きないように対応する。
さらにCIA的な能力も大切。
事件後に処理するのではなく、トラブルを事前に予知して
事件が起こる前に止める。
スタッフの機嫌が悪い。口調が厳しい。疲れている。
その原因は何か? 個人的な問題か? 体制の問題か? 経費削減のしわ寄せか?
それを見抜いてトラブルが起きる前に処置するのがPの仕事なのだ。
それには監督の性格を熟知し、職人スタッフの気質を知り、
映画のテーマや方向性を把握。全てを理解している必要がある。
また、無神経で能天気では駄目。
冷静さと客観の視点を持たなくてはならない。
スタッフやキャストの一言、一言に注意を払い。
誰よりも先に問題を察知する捜査官やスパイのような資質。
大事なのだ。
監督が何をしたいのか?
俳優は何を求めているのか?
スタッフは何が不満なのか?
声にならない声を察知して、密かにそれをサポートするのが
プロデュサーの仕事。
自身でやってみて、改めてのそれらが大事なこと実感。
それができるPが少ないことも、痛感した・・。
(つづく)