富士屋マーケット物語(2)店内は変らず [epilogue]
入ってみると、店内はほとんど同じだった。
タイムスリップしたようだ。
忘れていた記憶も蘇る。そう、奥は魚と肉の売り場。
注文するとおろしてくれる。
そして、いくつもの日本の食料品。
ラーメン、うどん、納豆、米、ドレッシング、お茶漬け海苔・・。
あの頃のままだ。
レジを見る。あのオジさんはいるか?
レジ前で立ち話をする日系人のお年寄りはいるが
あの人ではないようだ。
コーラを2本買い、レジに行く。
何だか、見覚えのあるおばさん。
あー、思い出した!!
20年前ときどき見かけた日系人のお姉さんだ。
「オデン」のオジさんの印象が強く忘れていたが
確かに、あの頃もいたはず。声をかけてみた。
ーーDid you work here 20 years ago?
彼女も英語で答える
「イエス、18年前からここのオーナーよ!」
ーー実は、僕、20年前にこの辺りに住んでいて、
毎日のようにここに買い物に来たんです!
(つづく)