富士屋マーケット物語(3)オデンおじさんのこと [epilogue]
レジにいた日系の女性に話した。
ーー20年振りにLAに来て、この店に来たら営業していて
うれしかった!
「ワオー、そうなの? 20年前!」
ーーその頃よく、日系人のオジさんがレジにいて
「今夜はオデンですか?」とか日本語で声をかけてくれて
当時、僕は英語ができなくて、とてもうれしかったのを覚えています。
彼はどうしているんですか?
「ああ、彼は、この店のオーナーだったけど、
何年も前に亡くなったの・・」
・・・・言葉をうしなった。
確かに、当時でも60歳くらいだった。
20年経つと、80歳。亡くなっていてもおかしくない。
そうだ。先に彼女は18年前からオーナーといった。
ということは、僕が帰国して2年後に亡くなったということだ。
やはり、20年という年月を感じずにはいられない。
その女性は娘さんで、お父さんのあとを次いで店を経営しているらしい。
こんな話をしてくれた。
(つづく)