20Years (下)LAの町が教えてくれたこと [epilogue]
そう。知らない内に、
浦島太郎になっていたのかも?
竜宮城で過ごしていたら、もの凄い時間が経っていて
村に帰ると 誰も知り合いがいない・・みたいな。
この20年。全て犠牲にして、
映画作りを最優先にして生きてきた。
本当に映画のことしか考えなかった・・。
「観客が感動する作品を作ろう!
子供たちを応援する物語を作ろう!」
そのためにどうすればいいか?考え続けた。
老後のための貯金をするとか、健康的な生活をするとか
考えたこともなかった。
「過労死するよ。休みなさい!」
医者から何度もいわれた。
でも、映画さえ完成すれば、いつ死んでもいい。
いつも「これが遺作です」と言い、仕事を始める。
でも、気づくと、20年という歳月が流れていた。
「それがどれだけ長い時間か?」
実感することもなく、今日まで生きてきた・・。
想い出の場所がなくなっているのも、当然だろう
良く知る人たちが誰もいなくなったのも
あまりにも長い時間が、経ったからなのだ・・。
空港に向かう車の窓から、LAの風景を見ながら
分かったこと。
20年は僕が思うより、
ずっとずっと長い時間であったということ。
LAの街が教えてくれた。
(つづく)