「コロッケ」シーンで観客が涙。 [LAの映画祭参加]
黒澤映画を見ていて感じた。
「言わなくても分かるよね?」発想に縛られなければ
日本映画も世界に通用するということ。
それを実践して来た。でも、海外で自分の作品が上映されることなんてなく
確かめること。できなかった。
それが今、LAで「青い青い空」が上映されている。
そして、目の前でアメリカ人観客が笑い、食い入るように画面を見つめている。
さて、場面はコロッケシーン。
日本では1回目の感動場面だった。
アメリカ人の反応はどうか?
場内中央に陣取る白人女性の4人組。20代後半。
表情を見つめた。
「コロッケ」がパタパタ。音楽が流れる。見つめる真子(相葉香凛)
コロッケを買いに行く三美子(橋本わかな)
この辺から1人が前のめりになり画面に食い入って見ている。
映画や芝居を見ているとき、
もの凄く真剣になると、前のめりなる。
映画館では少ないが、芝居の場合はよくいる。
ま、後ろの席の人。凄く迷惑だが、超真剣な反応なのだ。
暗がりだが、その子の表情を見つめると、
感動というより、
「かつて私も同じ経験がある・・・」という顔だ。
子供時代の記憶を思い出し、自分を見つめているようだ。
日本でもこのシーン。そんな感想をもらった。
「昔、私の絵が商店街に飾られたことあって、
凄く嬉しかったのを思い出しました。
そのときの記憶が蘇り涙が溢れました」
その子も子供時代に、何かそんな想い出があるのか?
4人グループの何人かが、涙を拭う。
その後ろ。70代の日系人のおじさん。メガネを外して目頭を押さえる。
場内から鼻をすする音。
このシーンも伝わった・・・。
相葉香凛と草刈麻有。そし橋本わかなの思いを込めた芝居が
アメリカ人観客の胸を打ったのだ・・
(つづく)
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