太田組式ロケハンの意味(1)通常のロケハンとは? [ロケハン2009春Ⅱ]
通常の映画では正式に映画がスタートしてから、制作部がロケハン。
候補地を見つける。後日、それを監督が見に行く。
映画業界のパターンだが、
それが「風景が美しいだけで、感動のない映画」になってしまう理由。
その習慣。元々、映画黄金期に作られたシステム。
映画を量産する上で忙しい監督をわずらわせないように、
製作部が事前にロケハンしておく、という発想からスタート。
製作がスタートすれば監督は寝る間もないほど忙しい。
ロケハンをじっくりする時間はないからだ。
だが、最近では、さらにこんな事情もある。
長期のロケハンは交通費や宿泊費。食費などがかかる。会社は考える。
「なるべく、監督やスタッフをロケ地に行かせないでおこう・・」
そんな節約発想が、その習慣を押し進めている。また、監督たちもこう言う。
「ギャラも経費も出ない内からは動けないな。それで企画が潰れたらバカを見るからなあ〜」
僕はまさに、その「バカ」を何度も見た。
だが、映画製作が正式にスタートしてからロケハンに出かけたのでは、遅いのだ・・・。
(つづく)