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「シナリオ書き」と「ワイン作り」は似ている?(下) [監督のお仕事!]

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 オリジナル・シナリオを取材3週間。執筆1週間で書き上げたことがある。

 ただ、クオリティは、超低い。改稿してレベルを上げるしかない。なのに当時の関係者は批判を始めた・・。

 「こうじゃ、ないんだよなあ〜」

 執筆期間1週間で、まともなシナリオが上がる訳がない。形になっただけでも、奇跡!でも、その辺が分からない。

 彼らはシナリオ執筆というのを、自動販売機でコーラを買うような気分でいた。コインを入れると、望んだ品物が出て来ると思い込んでいる。

 「シナリオ作り」は自動販売機の買い物ではなく、ワイン作りに近い。ワインは瓶詰めしたあと月日が経つことで、成熟し、深みが出る。

 シナリオでいうと初稿を書き上げてから、時間を置き、何度もリライトするのと同じ。それにより、問題点がはっきりとし、深みや奥行きを出でくる。

 初稿は、瓶詰めしたばかりのワインと同じ。酸っぱくて、甘みもない。その段階のワインを飲み「甘さがないんだよ。こうじゃないんだよなあ〜」といっていたのが先の関係者たちである。

 以前書いた『ストロベリーフィールズ」は初稿から5年間、リライト

 ワインと同様に、年月をかけ成熟させた訳だ。かなり深い味が出た。でも、それだけ時間をかけられることはまずない。

脚本1.JPG

 それでも初稿をベースにし、時間をかけ深めて行くのがシナリオ作り。自動販売機ではない。なのにコインも入れれば、完全版が出て来ると思い込む人が多い。

 それどころかコインも入れずに、すぐに品物を出させようとする奴までいる。シナリオ作りが全く理解できていない。そんな輩、業界には意外に多く、疲れる・・。

 アメリカ映画は、よく出来たシナリオが多い。

 でも、実力あるライターがいるということだけではない。日本のように3ヶ月とかではなく、ハリウッドでは3年くらいかけてシナリオを書くからだ。ギャラも5年は遊んで暮らせるだけ出る。

 だからいいものができる。日本でもせめて、1年はかけたい・・。時間をかけないなら、クオリティは期待できない。でも、今回・・・おっと、この先は、またいずれ!

(了)



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