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「チェンジリング」 [映画感想]

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 学生時代。正月映画というと邦画が「寅さん」。洋画は「007」にクリント・イーストウッドのアクションものが定番だった。
 代表作はやはり「ダーティハリー」シリーズ。他にも「ガントレット」「ダーティファイター」「アルカトラズからの脱出」等々があり、イーストウッドというと単純明快。銃撃ちまくるアクション映画のスターという印象だった。

 そのイーストウッド。今や巨匠クラスの大監督。重厚で素晴らしい名作を作り続けている。アクション映画に出ていた頃には、想像もしなかったことだ。そんな彼の新作「チェンジリング」。これもまた、本年度ベスト1か?という名作。
 先日見た「ベンジャミン・バトン」も素晴らしかったが、或る意味でそれを超える。予告編を見ただけでは、行方不明になった子供の話だとしか分からないが、それがあんな話になるとは・・。

 演出、物語、俳優、撮影、照明、音楽、その全てが素晴らしい。内容は地味だが2時間を超える長尺ものなのに、全く退屈せず、最後まで連れて行かれる。
 「ミステックリバー」「ミリオンダラーズ・ベイビー」「父親たちの星条旗」「硫黄島からの手紙」と並ぶ、見事な作品。詳しく書きたいが、まだ封切られたばかり、興味ある方は何も知らないで見た方がおもしろい。
 過酷なほど過酷。ダーティハリーが現れて、全てを解決してくれない現実。それを目を逸らさずに、まっすぐに見つめた重厚な社会派ドラマ。感動したり、泣けたりという映画ではないが、本当に素晴らしい一編だった・・。

 (蛇足)「ダーティファイター」という映画は、イーストウッドがライバルの大男をボコボコに殴る話。けど、今は監督のイーストウッドが観客を、打ちのめす話。





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