ハマコー先生はなぜ、書道を嫌うのか?(上) [アンコール]
映画公開のあと。
浜松のこ〜めぃさんから、こんな質問が来た。
Q 浜田先生は2年前に続いて、今回も書道部を潰そうと画策しますが、
なぜ彼は「書道部だけ」を目の敵にするのか、よく分かりません。
「自分らしさ」などと言うのはけしからん、とか、「受験のさまたげになる」
というだけなら、何も書道部だけでなく、他の部活も潰しそうですが、
そんな雰囲気はなさそうです。 2年前に書道部を潰したときに何かヒントが
あるかもしれないと思うので、 そのあたりの裏設定を紹介してください。
よろしくお願いします。
A、映画を見て、こういう指摘をした方々がいる。
「今時、一流大学にこだわる母親は、もういないだろう? 時代錯誤の物語だ」
「真子の母のように学校に乗り込んで、クレームを付ける親なんかいないだろう?」
「ハマコー先生のように、裏で手をまわすような先生はいるはずがない!」
さて、読者の皆さん。上の3つは「事実」か?「創作」なのか?
どちらだと思いますか?
これらは全て「数多く実在する」ケースなのだ。
今も、「一流大学に我が子を行かせたい!」という母親はとても多い。
(だから、学校側は毎年、***大学に何人合格という発表をする。それを見た
親に、子供をこの高校に入学させたい!と思ってもらうため
学校側がいくら、「勉強以外のことをした方が子供たちのプラスになる!」と特別の
カリキュラムを作っても、親たちが「受験が大切」と予備校的な教育を望むのだ)
学校に乗り込んでクレームをつけるのは、よく言われるモンスターペアレンツ。
なので、これも事実。
ハマコー先生のように、生徒に圧力をかける教師もまた実在する。
その背景はのちほど説明。
今回の「青い青い空」のシナリオを書くために、
様々な教育関係者の方に長期間、取材。
それらの事実を知ったときは、僕も信じられなかった。
大企業でさえ倒産する時代。
一流大学を出ても意味ないだろう。と考えていたが、
未だにこだわる母親が多いのだ。
それらの疑問を感じた方々は僕と同じように
長い年月、学校事情とは関わらないところにいらした方なのだろう。
「受験戦争」と言われたのは、僕が学生だった時代のことかと思ったら
今だに、同じことは続いており、ショックを受けた。
(むしろ、僕の学生時代より悪くなっている)
そんな時代なので、親はよりいい大学に子供を入れたい。
先生方も、生徒をよりいい大学に入れることで、保護者が喜んでくれる。
となると、受験に直接関係のない科目を敬遠するようになる。
ある高校では、名門野球部があるのに、それを廃部にすることで、
進学率をよくし、進学校のイメージを高めようとしていた。
子供の数が少なくなっているので、私立高校は特に生徒獲得に真剣。
そのために有名大学への進学率を大切にし、売り物にしている。
ハマコー先生のように、部活を辞めさせ、受験に専念させるよう指導する教師は
親たちから非常に感謝される、という現実も出て来る。
そんな中で、やり玉に上がる科目が「書道」である・・。
(つづく)
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