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”青い青い空” 批評/爽やかな感動作! [感想をご紹介!]

 浜松映画公開時に、掲載された感想。

 映画ウッチャーの丹下段平さんのブログで見つけた。

 とても嬉しいものだったので、許可を頂き転載させてもらった。

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 「青い青い空」 

 爽やかな感動作!

 なんて映画のよくあるキャッチコピーみたいだけど、この『青い青い空』を一言で言い表すなら、これ以外の言葉が見つからないほど、タイトル通り青い青い空のような爽やかさが残る快作。

 真子(しんこ:相葉香凛)は大学受験のことばかり口にする母(鈴木砂羽)に反発して1年以上口をきいていないちょっと頑固な高校2年生。親友のみさと(草刈麻有)はモデルを目指しオーディションを受けているがなかなか夢が叶わない。そんな二人がある日、駅で不良を懲らしめている

 ヤンキー風の男(波岡一喜)を目撃する。

 実はこの男、真子たちが通う学校の臨時教員の八代であった。八代は書道パフォーマンスを披露し、自分が顧問になった書道部の勧誘をする。

 興味を持ったみさとが真子を誘って書道室を訪れると、そこにいたのはいじめられっ子で自閉症の三美子(橋本わかな)ひとりだけ。書道に興味のない真子にとってはドッチラケであったのだが、八代の指導で次第に書道の奥深さを知り気持ちが変わっていく。

 そんな中、書道大会が行われることを知り、出場したくなった3人は規定の5名にするべく部員の募集を始める。まず目を付けたのは実力者のトン子(田辺愛美)、そして帰国子女ながら書道の実力もあるミチル(平沢いずみ)であったのだが…というお話。

 太田監督の前作『ストロベリーフィールズ』は

 悲しい物語でありながら、ほろ苦くも暖かな気持ちになれる映画であった。それは主人公が儚い「友情」を通じて自分探しをしながら成長していく姿を描いた前向きなドラマであったからだろう。

 この『青い青い空』はストーリーは全く違うものの根底にあるテーマは同じ。真子(や他の登場人物)が自分探しをしながら周囲との軋轢を乗り越えて成長していく姿が描かれている。

 それにしても不思議な映画である。観ている間、悲しい場面ではないのに涙がこぼれてくる。理屈では説明できない感動が沸きあがってくる。それほど重大なことが起こっている訳ではないのに心が震え、胸が締め付けられる。

 おそらく太田映画の特徴として

 主人公(たち)と観客の距離感の近さが

 そうさせているのではなかろうか。真子の受けた感動がそのまま観客の心にダイレクトに伝わってきて、真子同様の感動を観客も受けているような気持ちになるのだと思う。なかなかこんな作品は他にはない。

 相葉香凛、草刈麻有、橋本わかな、田辺愛美、平沢いずみ。

 草刈以外は知らない子ばっかりだが、彼女らの自然に見える演技が素晴らしく、彼女らの必死さに思わずスクリーンに引き込まれ、のめり込んでしまう。

 役を演じていると言うより、役が彼女たちそのものであるかのような印象を受ける。先生役の波岡一喜もとても好感度高くまさに適役。そして一見敵役のような塩見三省も映画を引き締め、松坂慶子や長門裕之といった大物俳優も物語に深みを与えた。

 言わば日本映画の良い部分だけ受け継いだ

 「日本映画はかくあるべき」と呼べる作品。10月9日からこの映画のロケ地である浜松で先行上映されるが、他はまだ決まっていない様子。地元の方はぜひ劇場に足を運んでほしい。

 自分の街でこんな素敵な作品が創られたことを喜んでほしい。そしてその輪が広がり日本中でこの作品が観られるようになることを切に願う。そうなれば僕も

 札幌でもう一度至福の時間が味わえるから。

 この映画評の元はこちら=>http://kokonntouzai.blog.so-net.ne.jp/2010-10-07


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