「青い青い空」はアメリカ人にも楽しめるのか? [LAの映画祭参加]
LA留学時代。そんなことを何度も感じたので、
帰国して脚本家になってから、シナリオを書くときには
「言わなくても、分かるよね?」
という発想。絶対にしないようにした。
日本の常識に囚われないで、海外の人にも分かるように描くようにする。
「青い青い空」のシナリオのときも同じ。
あるとき、有名映画を担当したある映画プロデュサーと話をした。
書道映画のシナリオを書いていると言ったら、アドバイスされた。
「書道なんて子供頃に皆、やっているものだから、
その辺の説明はどんどん飛ばして、早めに物語に入るといいよ」
おっと!これ・・。
「言わなくても分かるよね?」発想。
ベテランPでも、陥るのだ。
それでいて、笑顔でこう言う
「書道を題材にすれば、海外でもウケるから。企画としては面白いよ!」
それぇ〜、矛盾しているでしょうぉーーーー!
「説明しなくても分かるよね」という日本映画で
多くのアメリカ人が首を捻っている光景。
何度も見て来た。陥ってはいけない・・・。
と、いって「書道とは何ぞや?」
を延々と描くと、退屈する。
「筆と墨を使い漢字を書くの書道で・・」
とか日本人同士で説明すると、不自然に見える。
そこで考えたのが、ミシェルに演じてもらった
デビー先生というキャラクター。
彼女はアメリカ人。
だから、書道について説明してもおかしくない。
日本人には「日本文化に興味ある」デビーのキャラの説明になり
海外の観客には「書道とは何か?」の説明になる。
こうして「言わなくても分かるよね?」発想を持ち込まず
どの国の人が見ても分かる映画作り
実は「青い青い空」で実践している。
そんな発想を持つようになったのも、20年前、ここLA で
日本映画を見に、サンタモニカに通ったことが生きているようだ。
そのこと。改めて実感。
そんな思いで作った「青い青い空」、今回の映画祭で
アメリカ人に受け入れられるのか?
日本での公開時のように、
アメリカ人も笑ったり、泣いたりしてくれるのか?
どう思いますか? こ〜めぃさん!
(つづく)