伊丹十三作品の凄さ [映画]
黒澤映画が海外で評価された理由
それに気づいていた日本人がいる。
伊丹十三監督だ。
彼の映画も、LAで何本も見た。
「タンポポ」は大ヒットした。
http://www.youtube.com/watch?v=kbp5xm8R2VQ
LAでは8ヶ月ほどロングラン。場内は爆笑の連続。
次のシーンに移っているのに、まだ前のシーンの笑いが続いているほど。
「マルサの女」「マルサの女2」
どれも、評判がよかった。
昔、ある評論家がこういった。
「アメリカ人はサムライや芸者が好きだから、黒澤映画がウケたのだ」
これは完全に否定できた。現代劇の伊丹映画がヒットするのを見ると
サムライの出ない日本の現代劇が通用することが分かる。
では、伊丹十三監督が評価された理由は何か?
理由は黒澤映画と同じ。
全てが説明されるということ。
日本の習慣。日本の慣習。日本の風俗を知らなくても伊丹映画は見れる。
ラーメンを知らなくても、分かるような説明がある。
国税庁査察部を知らなくても、分かるように説明される。
「言わなくても分かるよね?」
が伊丹映画にもない。
日本人はどうしても、全てを言わずして思いを悟せようとする。
言葉にせずに、あうんの呼吸で理解するとか
そんな習慣で生きて来た。
また島国に暮らしていると、何が日本的で、何が日本的でないか?
が分からないことが多い。
自分たちが知っていることは、世界中が知っている。
知らないことは世界が知らない。と思いがち。
その辺、アメリカで生活をしていると、思い知らされる。
日本の常識。世界の非常識が数多く存在する。
映画も同じ。その辺を理解した上で作品を作らないと
日本人しか理解できない映画、作ってしまうのだ。
(つづく)