少女たちの映画を撮る理由(上) [メッセージ]
先日、取材でこう訊かれた。
「太田監督はどうして、10代の少女の映画を撮り続けるんですか?」
これは意外に訊かれない質問。
質問をする前に「どうせ、10代のアイドルが好きなんだろう?
AKB48とかのファンだったりするんじゃない?」
と潜入感で考えるからだ。
そういう輩、結構いる。
しかし、鋭い人はこう言う。
「10代のアイドルが好きという監督の映画は、必ず男性視点がある、
その人物から少女を見つめる。
そこに憧れを描く。でも。太田映画は少女が1人称。
それだと少女に対する憧れではなく、
少女の厳しい現実を描かねばならなくなる。
その技法を使うということは、
少女に対する憧れを映画にしている訳ではない」
その通りだ。
質問をした方も、鋭い人なので、同じように思ったのだろう。
では、なぜ、少女たちの映画を作るのか?
その質問に、こう答えた。
世の男性は10代の少女たち。女子高生に憧れることが多い。
おにゃん子クラブから、モーニング娘。今ならAKB48。
でも、男たちがいう「女の子」というのは、可愛い子のことを指し。
単に「ルックス」を可愛がっているだけのことが多い。
「女の子」といっても、可愛くない子。デカイ子。小さい子。太め。メガネ。
パッとしない子も多い。
けど、男性たちはそんな子たちに興味。を持たない。
「女の子」として認知していないところがある。
そんな子たちは、どんな人生を送っているのか?
男たちは考えない・・。
(つづく)