SSブログ

友人の話(1) [想い出]

101224_154320.jpg

 「青い青い空」の3ヶ月を超えるロングラン。
 
 観客動員2万人。

 その大ヒットを報告したい若い友人がいる。

 脚本家の先輩が主催の飲み会で知り合った。

 「こいつは太田の映画、絶対に好きになるよ! 

 太田も『ストロベリーフィールズ』を5年かけて完成させたけど、

 こいつも4年かけて映画撮ったんだよ」

 何だか似たようなことをしているらしい。

 そう紹介された彼は、大阪出身。

 僕は和歌山生まれの、大阪育ち。

 関西のノリで盛り上がった。

 20070215083.jpg

 そして、僕がお世話になった脚本家の先生に

 彼もお世話になっている。

 おまけに僕のアパートの近所に住んでいた。

 何だか長い付き合いになりそうだ。

 間もなく公開になった僕の「ストロベリーフィールズ」を見てくれた。

 最後列の席から見ていても分かるくらいに

 彼は号泣。ボロボロに泣いていた。

 「太田さんは関西人のノリなので、笑える映画かと思ったら

 あんな悲しい泣ける映画を作る人とは思わなかった。

 人は見かけによらないですね?」

 褒めているのか、けなしているのか分からない。

 でも、もの凄く感動したという。

  101224_154346.jpg

 家が近所ということもあり、

 駅近所の彼のアパートの前を通ると電話。

 「今、下にいるけど、飲みに行かない?」

 と言って、中華料理屋で餃子を食べた。

 それ以来「餃子食べに行こう!」が合い言葉となる。

 100911_183112.jpg

 「そろそろ、餃子はどうですか?」

 年賀状にまで、そう書いて来る。

 あるとき、彼から相談を受けた。
 
 「4年がかりで作った監督デビュー作。完成して、間もなく公開になります。
 
 でも、予算がなくて宣伝をどうすればいいか? 

 相談に乗ってほしいんです」

 僕は「ストロベリーフィールズ」のときも、和歌山&東京で宣伝活動をした。

 お金をかけずに宣伝するのは得意だ。

 そのとき、こんなことを言われた。

 「太田さんの新作はいつ頃、見れそうですか?

  お世辞じゃなくて本当に期待しているんです」

 4年がかりで完成することになる『青い青い空』

 一番、辛かった時期で、全てがストップしていた。

 希望が見えない時期だった・・。

 (つづく)


 ポスター.jpg
nice!(0) 
共通テーマ:映画

nice! 0

年賀状友人の話(2) ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。