映画は民主主義では出来ない?(1) [ポストプロダクション2]
映画というのは、見る人によって違う印象を持つ。
「このシーン長いんじゃないの?」
という言う人。
「いやいや、このシーンはもっと見たい。短すぎ!」
という人も必ずいる。
でも、不思議なことに「長い」と思う人は、こういう。
「誰が見ても、長いと思うよ! 長いに決まってるだろう!」
誰にも聞いてないのに、全ての人が「長い!」と思っている。と思い込むことが多い。
「このシーン。もっと見たい!」という人は
「えー? このシーンが長い!なんていう人がいるの? 嘘だろう? バカじゃない?」
と言うことが多い。
興味深いのは、両者ともに自分の意見が絶対にだと思い込み、
強行に自説を主張すること。
一般の人だけではない。プロの間、スタッフ間でも、同じ。編集されたものを見ると
「長い!」「いや、もっと見たい」「このままでいい!」
という様々な意見が出る。
と言って、それら意見の中間を取ると、素晴らしい映画はできない。
映画というのは不思議なもので、多くの人の意見を取りまとめて作品にすると
いいものができないのだ。
(つづく)