編集は監督がやらねばならない(上) [編集作業]
「なぜ、体調最悪なのに自分で編集するの? 誰かに頼めばいいじゃん?」
そう思った人も多いだろう。理由がある。
昔、あるテレビドラマを担当した。
編集スタジオが手回しのいいところで、監督がイチから編集をしなくても
ある程度まで編集をしてくれていた。監督は気に入らないところを直せばいいだけ。
その編集。非常に正当派で、編集文法に乗っ取ったものだ。
よく出来ていた。だが、ドラマとして全然、面白くなかった。
ということは、僕の演出がよくなったのか?
ん? 待てよ。編集をイチからやり直した。
結構、おもしろいドラマになった。
シリーズ中、かなり高い評価を受けるエピソードとなる。
が、スタジオの編集マン。決して腕は悪くない。
僕の編集が特に、優れているということでもない。
この経験で、編集というものが分かって来た。
そこに映画作りの「面白さ」と「難しさ」があったのだ。
(つづく)