少女の夢 映画への出演 [地元オーディション]
会場でウロウロしていると、
突然、10代の女の子が駆け寄ってきた。
「監督、ありがとうございました!」
感極まった表情で、その子は頭を下げる。
浜松オーディションに来てくれた子だ。
「本当にがんばりますので、よろしくお願いします!」
でも、その子の役は決して大きなものではない。
もちろん、役に上下はないが、やはり大きなものではない。
通常なら「やったー、映画に出られるんだー」という喜び方だろう。
なのにまるで、目指していた大学に合格したかのような感極まった表情。
きっと、将来の夢は女優。そう思って何年も勉強してきたのだろう。
今回の映画「書道♡ガールズ」出演が、その夢への第一歩になってくれると嬉しい。
それだけに監督としての責任も大きい。
僕もがんばるので、よろしくお願いします。
(つづく)