「大人の脳」は新しい時代に対応できるのか? (1) [最近、考えたこと]
いつものシリーズをお休みして、別の話題を書く。
一読すると難しいことが書いていると思うかもしれないが、そうではない。突き詰めて行くと「今の時代」が見えて来るはず。書いてみる。
「人は、過去の記憶や経験に縛られる」
その話はここ何回か書いた。それを、さらに専門的にいうとこうなる。
「脳は過去の記憶や経験と比較することで、新しいものを把握する」
人は30歳くらいまでに記憶したこと。経験したことがベースとなり、その後に出会った「もの」や「状況」を判断する。
例えば学生時代、初対面から馴れ馴れしく口をきく奴がいた。金を貸したが返さなかった。社会人になり、同じように初対面から馴れ馴れしく口をきく奴と出会う。脳は過去の記憶を探る。
「学生時代に出会った同じタイプだ」=>「金を貸しても返さなかった」=>「馴れ馴れしい奴は、いい加減」=>「この男にはあまり関わらない方がいい」
という判断を下す。これは経験が生きたいい例だが、「物」に対する把握はどうだろう?
僕が子供の頃。レコードというものがあった。それが大学時代にCDが発売される。初めて見たときに、脳内では、こんな作業があったはず。
「過去の記憶を検索」=>「似たようなものを探す」=>「音楽が記録された円盤型のもの」=>「レコードだ」=>「それが技術の進歩で、小さく軽いものになった」。
意識の中ではあまり感じないが、脳はそうやってCDというものを把握、理解する。
では、パソコンはどうだろうか?
(つづく)