みんなで「青い青い空」を見た日（下）

　前半戦では皆が笑顔になり、

　後半戦に入ると、誰もが涙を流す。

　感動を観客全員で、わかち合う。

　映画が終わり、場内が明るくなる前に僕らは外に出た。

　波岡君が言う。

　「ほんまに、ええ、映画やなあ〜」

　そう話していると、会場の中から拍手が聴こえて来た。

　映画館で拍手が起こることなんて、まずないのに

　今回は何度も、拍手が起きている。

　多くの俳優たち。スタッフ。そして地元の方々。

　それだけではない。映画を見てくれる観客の方々がいて

　ようやく映画は完成するのだ。

　１本の映画に様々な人生が交差する。

　その瞬間に立ち会えたこと。幸せだった。

　（つづく）


　

タグ：波岡一喜