「太陽娘と海」を探して(7)夢 [太陽娘と海]
この通り。日が暮れてから夜、出演者の17歳・尋美を連れて買い物に行った道でもある。
一緒にコンビ二に行った・・・。
当時、尋美はまだ表参道で、バイトをしながらタレント業をしていた。
お小遣いも少ないだろうと、コンビニでお菓子や団扇を買って上げた。
安い物だったのに、大喜び。
帰り道で、こんな話をしてくれた。
「・・・・・・私・・・本当は・・・・歌手になりたいんですよ・・・」
いつも冗談ばかりいっていた子が、まじめに夢を語ってくれた。
1年と数ヵ月後、その夢が叶う。でも、その直前に彼女は人生を終える。
葬儀にも出席した。会場には僕が「太陽娘」のときに撮った写真が飾られていた。
命日には毎年、墓参りをする。
その尋美と2人で歩いたのが、この道。
なのに、その思い出が見つからない。
一緒に行ったコンビニ。潰れていたのかなくなっていた・・・。
というより、通りにコンビニがなくなっていた。
しかし、一番の思い出の場所がまだある。宿舎として泊まったアパートだ。
(つづく)