クライマックスの大会シーン。LAでの反応は?(1) [LAの映画祭参加]
ジャパン・フィルム・フェスティバル・LA
「青い青い空」の上映中。
さて、いよいよクライマックス。
書道退会シーンとなる。
観客はもう完全にスクリーンに釘付け!
「シンコ。ガンバレ!」「ミサト、マケルナ!」
そんな顔で食い入るようにして見ている。
ここで意外なシーンがウケて驚く。
ステージに立つ直前。八代先生(波岡一喜)が部員たちに、最後の話をする。
そこで、みさと(草刈麻有)がこういう。
「また、マイケル・ジャクソンから始めるの?」
そこで、今回の上映で最高の笑い声が起きた。
僕も意外! くすくすっという笑いなら分かるが、大爆笑
これは先に説明した部分と同じ。
クライマックスがスタートし、八代先生と生徒たちの別れの場面である。
センチメンタルで、物悲しい、そんな場面で
馴染みのあるマイケル・ジャクソンという名前が出てきたことでの
笑いなのだ。
また、別れのシーンなのに「マイケル」の話を覚えていて
それを例にとるみさとの可愛さへの、微笑みもあっただろう。
さて、ステージの幕が上がる!!!。
(つづく)
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=>http://www.fjmovie.com/main/news/2011/news04_aoi-la.html
職員室のシーン。涙と笑いと密やかな拍手 [LAの映画祭参加]
ハマコー先生登場。
もう駄目か・・・・大会には出られないのか?
そう思ったときの、デビー先生の機転。
真子がもらった手紙を開けて叫ぶ。
「出場許可だあ!」
20代の白人女性グループ。密かに拍手。
観客は映画というより、ボクシングを見ているかのよう
誰もが真子たちにエールを送っている。
アメリカ映画。たまにこんな盛り上がりを見せる。
「インディジョーンズ」シリーズ
「エイリアン2」のシガニー・ウィーバーエイリアンの対決シーン
或いは、黒澤明の時代劇。
それが今、目の前で同じ盛り上がりを見せている。
三美子が「極楽」の文字を出すと
泣いていたのに皆、笑う。
半紙のパートは、ことごとく笑いが起きる。
いよいよ、クライマックスへ突入だ。
(つづく)
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三美子のシーン、アメリカ人の反応は? [LAの映画祭参加]
「青い青い空」LA上映。
後半戦に入る。笑いのシーンはなくなり、物語は重苦しくなる。
場内も同じように、陰鬱なムード。
皆、真子(相葉香凛)に共感。
同じように、悲しみを感じているように見える。
そして、いよいよ、日本では誰もが泣いた
三美子(橋本わかな)のシーンだ。
果たして?
見ていると、ここLAでもわかなの名演に打たれて
次々に涙を流し始める。
白人女性グループ。日系人のおじさん。暗がりで見えない後ろのお客も
メガネをはずしたり、手で目を押さえたり、顔を触ったり
皆、涙を拭っているのだ。
橋本わかなの名演技。アメリカでも受け入れられたのだ。
続いて、八代先生の回想。
不良時代のパートでは、再び笑いが起きながら、
オカンのパートではまた涙。
そして、真子が職員室に向かう。
この辺からの観客の表情、こうだ。
「ゴー!真子。ゴー!」
「You can do it !」
誰もが真子を応援している。戸惑う真子を後押ししている。
いや、観客の表情を見ていると、
自分もみさとたちと一緒に、職員室に
乗り込もうとしているかのようだ。
(つづく)
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「書と音楽のコラボ」シーンは? [LAの映画祭参加]
墨かけ合戦シーンのあと。
旅館の大広間で、部員全員が謝るシーン。
観客から笑いが起こる。
そして、八代先生から筆の説明。書道のうんちくのシーン。
ここもまたアメリカ人観客は真剣な顔。
「へえーーーーーー筆って、いろんなもので出来ているんだ・・」
という表情。いや、これは日本でも同じ。
日本文化なのに、筆の原材料を知らない人が多かった。
なので、ここは海外の人に書道のことを紹介するシーンでありながら
日本人にはいかに日本文化を知らないか? 感じてもらえるシーンでもある。
そして前半最後の場面「書と音楽のコラボ」
ここから観客は完全に映画の世界に入り込んでいた。
真子(相葉香凛)やみさと(草刈麻有)が書道を書く姿に
日本の美しい四季の風景に
酔いしれるように見ている。
3分を越えるシーンだが、台詞は一言もない。
全て映像と音楽で見せている。
ここも言葉の壁を越えて、世界の人に理解してもらえるシーンだろう。
以上前半戦。日本と同じ場面で観客は笑い。
同じシーンで涙した。
だが、後半。笑いは少なくなり、涙涙の連続となる。
日本では後半50分は、涙の連続。
果たしてアメリカ人観客の反応は?
日本人は泣ける映画が好きだが、アメリカ人は違う。
涙の連続のシーンを、どう受け止めるのか?
注目の後半が始まる。
(つづく)
墨かけ合戦シーン。笑いが遅れる? [LAの映画祭参加]
墨かけシーン
ここまで、日本で笑ったシーンは皆笑い。涙のシーンは皆、涙だ。
大きな紙に、大きな文字を書く練習。
見るからに皆、下手!っという感じ。
でも、アメリカ人観客。真剣に見ている。
トン子(田辺愛美)と卓也が揉めて、墨のつけ合いに
やがて、みさと(草刈麻有)も加わって墨かけに
だが、観客はまだ真剣に見ている。
途中からようやく笑いだす。ここは日本と違うリアクション。
理由は分かった。
ここは僕の認識不足。「分かるよね〜」発想に捕われていたのだ。
日本人が見れば、書道部員たちの大字を書く姿。やる気もなく、意気がない。
「まだまだ、下手だし、遊び半分だな」
と分かる。が、アメリカ人が見ると
巨大な紙に筆で文字を書くこと自体に興味があり
真剣に見てしまう。
そこからお笑いシーンになっていくことに乗り遅れるのだ。
後半戦は皆、体を揺らして笑っていたが、
ここが唯一、日本と違う反応。
まだまだ、僕も日本の発想に縛られていること痛感。
上映はつづく
(つづく)
孝太郎君の場面は涙。卓也の自転車は笑い。 [LAの映画祭参加]
「青い青い空」LAでの上映は続く
「コロッケ」に継ぐ涙のシーン。孝太郎君の場面。
ここは台詞だけの説明。間接的な表現が多いので心配。
そして、孝太郎君の作った俳句を、書にした春山先生の文字
アメリカ人には読めない。果たして、このシーンは伝わるのか?
心配したが、ここでも観客は涙。
白人姉ちゃんグループも、日系のおじいさんも涙。
多くの人が鼻をすすった。
そして、合宿に向かうバスの中
「メンバーあと1人か・・」と言っていると後窓の外
自転車で追いかける卓也(冨田佳輔)
ここで笑い。
そして、いよいよ、日本では一番爆笑だったシーンである。
(つづく)
八代先生はロックンロールが好き [LAの映画祭参加]
ひとつには八代先生(波岡一喜)
書家で教師なのに
「ロックンロールが好き」というミスマッチ設定が面白いのと
彼の性格を表現できる。
ただ「矢沢永吉が好き」「頭脳警察のファン」(ほとんど僕の趣味)
これだと、八代先生はいかにも!という感じになってしまう。
それより「ローリング・ストーンズ」や「マイケル・ジャクソン」の方が
よりミスマッチ感が大きくなり、
八代先生のキャラがユニークになる。
同時に、海外の観客もその方が分かりやすいのでは?
そう考えた。
「頭脳警察が好き」と言われても海外の人は分からないが
「ローリングストーンズが好き」というと、
親近感があるし、そんな人が書道の先生というのも面白い。
それだけでなく、シナリオを書くために書道の取材を1年ほどやっていて
気づいたのは、ストーンズやスプリングスティーンとの共通点である。
先にも書いたが、個性やスタイル。オリジナリティの大切さ。
ミュージシャンも、書道も同じなのだ。
LAでの上映を見ていると、その辺がとてもうまく伝わり
異文化である書道を身近なものとして
感じてくれているように思えた。
(つづく)
アメリカ映画の台詞にあって、日本映画にないもの [LAの映画祭参加]
アメリカ映画、
会話に有名俳優やミュージシャンの名前よく出て来る。
「セント・エルモスト・ファイヤー」では
同棲していた恋人たちが、別れるときに荷物を整理
一緒に買ったものを分け合うシーンがある。
「このレコードは持って行っていい。それもいい。
でも、スプリングスティーンは駄目!」
と主人公の一人が言う場面がある。
彼の性格が感じられる上に、アメリカでのスプリングスティーンの人気が分かる。
先日、お邪魔した名画座のオーナー・タランティーノ
そんな台詞が得意。
「トゥルーロマンス」の主人公は
延々とソニー千葉(もちろん日本の千葉真一です)とエルビス・プレスリーの話をしていた。
でも、日本映画って、そんな台詞。あまりない。
「昨日見た高倉健の映画がおもしろくてよ〜」
とか、ほとんどない。
「小田正和のあの歌詞が好きなんだよな」
とか、やはりない。
同じ日本の中なので、クレームがつくのを気にしているからかもしれない、
僕の作品ではその種の会話をよく登場させる
以前はミステリー作家の名前がバンバン出て来る
というVシネマを書いたことあるが、
今回の「青い青い空」では、
海外のミュージシャンの名前がいっぱい出て来る。
(つづく)
ローリングストーンズの台詞で笑い? [LAの映画祭参加]
「青い青い空」の上映が続く。
面白い反応に気づく。
まず、八代先生(波岡一喜)が体育館で、大きな筆で大字を書くシーン。
最初は書道に対する興味で、真剣に見ているが
書いていたのが「Rock'n Roll」だと分かると
笑い声が起こる。
そして、同じく八代先生がノーサレンダーを聴く真子(相葉香凛)との会話シーン
「ローリングストーンズは聴かへんのか?」
その台詞で笑い声。
理由はこうだ。観客のみなさん。日本映画だと思って見ている。
それも書道が題材。
なのに、馴染みあるストーンズの名前。筆で「Rock'n Roll」の文字。
言い換えれば、アメリカ映画を見ていて、
「矢沢永吉。聴いたことあるか?」という
英語の台詞が出てくるようなもの。
或いはアメリカ人が富士山の絵を書いているシーンがある。
何だか、不思議な感じがすることでの笑いなのだ。
さらに、同じ反応はデビー先生(ミシェル)のシーンでも起こる。
授業でデビーが英語で話す場面。
みさと(草刈麻有)がビデオカメラに向かって英語で話すシーン。
この辺も「英語ダーーー」という驚きの反応。
これらも先と同じ。
アメリカ映画を見ていたら、主人公が急に日本語を話すシーンのようなもの
スティーブン・セガールの映画で、彼が日本語で
「ナベチャン。チョウシ ドウ?」(辺ちゃん。調子はどう?)
という台詞があって、大笑いしたことがある。
急に自国語が出て来ると、不思議な気がし、笑ってしまう感覚がある。
そしてアメリカ人観客の表情を見ていると、単に笑っているというより
よく知るアーティストや英語が出て来ることで、
親近感を持ってくれていること強く感じる。
(つづく)
面白い反応に気づく。
まず、八代先生(波岡一喜)が体育館で、大きな筆で大字を書くシーン。
最初は書道に対する興味で、真剣に見ているが
書いていたのが「Rock'n Roll」だと分かると
笑い声が起こる。
そして、同じく八代先生がノーサレンダーを聴く真子(相葉香凛)との会話シーン
「ローリングストーンズは聴かへんのか?」
その台詞で笑い声。
理由はこうだ。観客のみなさん。日本映画だと思って見ている。
それも書道が題材。
なのに、馴染みあるストーンズの名前。筆で「Rock'n Roll」の文字。
言い換えれば、アメリカ映画を見ていて、
「矢沢永吉。聴いたことあるか?」という
英語の台詞が出てくるようなもの。
或いはアメリカ人が富士山の絵を書いているシーンがある。
何だか、不思議な感じがすることでの笑いなのだ。
さらに、同じ反応はデビー先生(ミシェル)のシーンでも起こる。
授業でデビーが英語で話す場面。
みさと(草刈麻有)がビデオカメラに向かって英語で話すシーン。
この辺も「英語ダーーー」という驚きの反応。
これらも先と同じ。
アメリカ映画を見ていたら、主人公が急に日本語を話すシーンのようなもの
スティーブン・セガールの映画で、彼が日本語で
「ナベチャン。チョウシ ドウ?」(辺ちゃん。調子はどう?)
という台詞があって、大笑いしたことがある。
急に自国語が出て来ると、不思議な気がし、笑ってしまう感覚がある。
そしてアメリカ人観客の表情を見ていると、単に笑っているというより
よく知るアーティストや英語が出て来ることで、
親近感を持ってくれていること強く感じる。
(つづく)
「コロッケ」シーンで観客が涙。 [LAの映画祭参加]
黒澤映画を見ていて感じた。
「言わなくても分かるよね?」発想に縛られなければ
日本映画も世界に通用するということ。
それを実践して来た。でも、海外で自分の作品が上映されることなんてなく
確かめること。できなかった。
それが今、LAで「青い青い空」が上映されている。
そして、目の前でアメリカ人観客が笑い、食い入るように画面を見つめている。
さて、場面はコロッケシーン。
日本では1回目の感動場面だった。
アメリカ人の反応はどうか?
場内中央に陣取る白人女性の4人組。20代後半。
表情を見つめた。
「コロッケ」がパタパタ。音楽が流れる。見つめる真子(相葉香凛)
コロッケを買いに行く三美子(橋本わかな)
この辺から1人が前のめりになり画面に食い入って見ている。
映画や芝居を見ているとき、
もの凄く真剣になると、前のめりなる。
映画館では少ないが、芝居の場合はよくいる。
ま、後ろの席の人。凄く迷惑だが、超真剣な反応なのだ。
暗がりだが、その子の表情を見つめると、
感動というより、
「かつて私も同じ経験がある・・・」という顔だ。
子供時代の記憶を思い出し、自分を見つめているようだ。
日本でもこのシーン。そんな感想をもらった。
「昔、私の絵が商店街に飾られたことあって、
凄く嬉しかったのを思い出しました。
そのときの記憶が蘇り涙が溢れました」
その子も子供時代に、何かそんな想い出があるのか?
4人グループの何人かが、涙を拭う。
その後ろ。70代の日系人のおじさん。メガネを外して目頭を押さえる。
場内から鼻をすする音。
このシーンも伝わった・・・。
相葉香凛と草刈麻有。そし橋本わかなの思いを込めた芝居が
アメリカ人観客の胸を打ったのだ・・
(つづく)
タグ:相葉香凛