自分のスタイル。自分のキャラ(11)青春もの? [最近、考えたこと]
何よりラブストーリーというジャンル。好きではない。
好きではないもの書いても、面白くならない。
で、いろいろと考えて、嫌いだけど、青春ものを書くことに決める。
6年間。アメリカの大学に留学して、いろいろと面白いことがあった。
そんな話をもとに1時間もののドラマを書いてみた。
高校時代からシナリオは書いていたが、青春ものは初めて。
どうかな・・・と思い、業界の友人に見せる。
「おーー、今までで一番いいじゃないか? 太田は青春ものが合ってるんじゃないか?」
一番嫌いな青春もの。合ってると言われた。
いろんな人にシナリオを見せたが、かなり評判がよかった。
少なくても、何本も書いたSFものより、評価が高かったのだ・・。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(10)恋愛もの? [最近、考えたこと]
でも、題材は「経験」があるものでなければ駄目。
「少年が少女に会い。恋する」
てな話は誰でも書けるが、決して面白くはならない。
絵空事で作ったストーリーは説得力がない。
紳介竜助が不良少年時代の話をネタにして、ウケたのも。
彼らが本当に不良少年だったから。
渥美清が車寅次郎を演じられたのも、本当にテキ屋のような経験があったから、
武田鉄矢が金八先生を演じられたのも、教育大学に通い先生になろうとしていてから。
実体験があるものは、やはり強く観客に伝わる。
シナリオも同じ。
力がついてくれば、取材して書くことができるが、
デビューもしていない素人ライターが、絵空事で物語を書いても面白くならない。
(つづく)
自分のスタイル、自分のキャラ(9)青春もの [最近、考えたこと]
僕の場合。意外なきっかけでスタイルを確立する。
当時、映画の製作部をやっていた友人。こう言った。
「SF映画なんて、日本では理解されにくいんだから、仕事に繋がる
よくあるジャンルのシナリオを書いてみろよ。
アホなPが読んでも、イメージできるラブストリーとか、
恋愛ものは需要があるし、ドラマ化される可能性も高いぞ」
反論したかったが一理ある。まず、ありふれたジャンルの物語を書いて
「書く力」があることをアピール。
それを仕事に繋げて、信頼を積み上げて、それからSFものを書く。
僕は後先考えずに、「これだ!」と思ったら全力疾走するので、友人のような
したたかな発想がなく、いつも損している。
友人のアドバイス通りに、SF以外のものを書いてみることにした。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(8)ネタ [最近、考えたこと]
先のお笑いライブを見て、
若手芸人さんたち。当時の僕と同じこと、感じていると思えた。
「なぜ、この笑いが分からない! 業界はバカばかりか?」
或いは
「なぜ、このスタイルでウケないんだ? 俺はどう自分を表現すればいいんだ?」
悔しさとやり切れなさを痛感。
でも、観客に受け入れられるスタイルが必要なことも、感じているはずだ。
80年代にトップランナーだったB&B。
スピードアップした漫才で人気が出た。
ヒップアップはギターを弾き、青春ドラマをパロディにしてブレイクした。
のりおよしおは、時代劇を取り入れた漫才。
ザ・ぼんちはワイドショーネタ。
ライブに出ていた若手芸人たちも、様々なネタを考えて漫才やコントに挑んでいた。
その姿。昔の自分を見ているようで
感じるものがあった。
(つづく)
お笑い芸人について(7)SF映画 [最近、考えたこと]
当時、僕はSF映画のシナリオを書き、映画化したかった。
SFといっても「2001年宇宙の旅」や「猿の惑星」のような作品ではなく
テレビの「スタートレック」や「トワイライト・ゾーン」。
映画なら「バック・トウ・ザ・フュチャー」のようなエンタテイメント。
帰国後。アルバイトをしながら、シナリオを書き続けた。
完成するたびに、映画業界で働く友人に見てもらい
知り合ったプロの脚本家さんにも、読んでもらったが、
とても評判が悪かった。
「面白い」「面白くない」以前に、「よく分からない!」と言われた。
当時、ハリウッド映画は「ターミネーター」だ
「エイリアン」だ「スターウォーズ」だ
と、SFが主流なのに、日本で作られるSFは「ゴジラ」シリーズくらいなもの。
シナリオを読んでもイメージできないようだった。
「日本は遅れている! プロデュサーは不勉強だ」
そう思っていたが、SFのシナリオをいくら書いても、仕事には繋がらず。
プロの脚本家への道も、開けなかった・・・。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(6)自分探し [最近、考えたこと]
先日のお笑いライブで見た芸人さんたちと
同じ壁。僕も突き当たったことがある。
アメリカ留学から帰国。
映画監督を目指して、シナリオを書き始めたときだ。
「自分が作る映画はどんな映画なのか?」
「自分の映画はどんなスタイルなのか?」
「自分らしさとは何か? 太田が作る映画は、他の監督とは何が違うか?」
5年近くも、それを悩むことになる。
僕は学生時代からシナリオを書き、自主映画もやっていた。
その段階で自分なりのスタイルはかなり出来ていた。
学生時代から好きなSF映画を作りたいと思っていた。
だが、当時の映画界でSFというと、子供向けのアニメ?としか思われなかったのである。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(5)映画監督も同じ [最近、考えたこと]
お笑い芸人、俳優だけではない。
監督業も同じだ。
サム・ペキンパーはバイオレンス映画。
ビリー・ワイルダーはコメディ。
ジョン・フォードは西部劇
ヒッチコックはサスペンス。
もちろん、他のジャンルを撮る人もいるが、皆、自分の得意分野を持っている。
そして同じアクションでも、
サムペキンパーとトニースコットは全く違う。
それぞれにスタイルがあり、個性がある。
「あいつは監督じゃない。ディレクターだよ」
映画業界でそんな言い方をすることがある。
監督は自分のスタイルがあり、個性的な作品を作るが
ディレクターは撮影現場を上手に仕切る人。
個性が表現できてない。というような意味だ。
つまり替えが効くということ。
俳優と同じ。個性のある俳優は主役となり、依頼が殺到するが
芝居はうまくても、個性のない俳優はやがて消えて行く。
芸人にしても、俳優にしても、監督にしても
自分のスタイルを持てない者は、消えて行くしかないのだ。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ。(4)俳優も同じ [最近、考えたこと]
芸人だけではない。俳優も同じ。
自分のキャラ。スタイルを確立してこそ。本物の俳優になれる。
名優・勝新太郎。現在もテレビで活躍する中村玉緒さんの旦那。
三船敏郎、石原裕次郎と並ぶ、戦後の大スターである。
が、大映のニューフェイスでデビューした頃、あまり人気がなかった。
主演映画も評判がよくなかった。
自分にしかできない何かを探し続け。自分のキャラを考え続けて、見つけたのだ
「不知火検校」という小説。
その物語に登場する盲目の僧侶。それを演じたい。自分にしかできないはずだ。
そう。カッコいい2枚目ではなく、悪の強いキャラにこそ。
自分らしさが発揮されると考えたのだ。
会社に掛け合い。映画化を決意させる。
そのキャラはのちの大ヒットシリーズ「座頭市」の主人公の原点ともなり、
彼は大スターへの道を突き進む。
芸人と同じく、俳優もまた、自分のスタイルやキャラを探す。
それを見つけたとき、他では替えの効かない存在になったとき
世の中に必要とされる俳優になる。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(3)紳介竜助 [最近、考えたこと]
しかし、芸風を確立すること。
スタイルを持つこと。キャラを作り上げること。本当に大変なことなのだ。
80年代。漫才ブームのとき。
紳介竜助は不良イメージで売り出した。
当時はまだ、ネクタイにスーツが漫才師らしい衣裳だったのだが
つなぎを着て舞台に立ち、リーゼントで不良少年のネタをやった。
それで注目され、ツービートやB&Bと共に、大ブレイクして行くのだ。
漫才師やお笑い芸人は、星の数ほどいる。
その中で輝くには、人とは違った個性やスタイルがなければならない。
面白い。笑えるという以上に、キャラがなければ生き残り、
ブレイクすることはできない。
そのライブを見ていて、出場している芸人さんたち。
それをよく分かっていること。感じた。
そして、自分たちのキャラとは何なのか?
スタイルはどうなのか? 真剣に考えて、模索していること伝わってきた。
しかし、簡単に見つかるものではない。
多くの芸人さんたち。それで苦悩していることも感じた。
(つづく)
自分のスタイル。自分のキャラ(2)芸人たち [最近、考えたこと]
今回のネタを見ても、
コンビであれこれ議論しながら
時間をかけて作り上げたものであることが伝わってきた。
そして、ネタと同じに大切なもの。
芸人としてのスタイル。キャラを確立しようと
さまざまな挑戦をしていること。試行錯誤をしていること。
強く感じた。本当に努力、努力、努力という印象。
でも、芸人の世界は厳しい。舞台に立ったり、テレビに出られるのは
ほんの一握りだけなのだ・・。
(つづく)