HEROES シーズン3 後半戦(9ー終)果たして? [テレビドラマ]
日本でも「ガンダム」をバカにして、見たことのない人たちは、
アメリカ人と同じように、古い価値観で見てしまう。
あるおじさん。「Zガンダム」を見てこう訊いてきた。
「誰が悪いヤツなの?」
その考え方で「Z」は見られない。
「子供向け」といって、バカにできない新しさがあるのだ。
それを取り入れた「HEROES3」。果たして、アメリカ人に理解できるのか?
心配していたら、実際、視聴率はあまりよくないようだ。
日本ではどうか?
僕のまわりで、「シーズン3」まで見ている友人は誰もいない。
「シーズン1」を見せた友人はこういう。
「外人は顔が皆、同じに見えて、話がよく分からなくなる・・」
僕が熱狂するドラマ。マニアックで、一般ウケしないことがある。
今月下旬にレンタルでも「3」が解禁。
反応はどうなるだろうか?
HEROES シーズン3 後半戦(8)アメリカ人の発想 [テレビドラマ]
「HEROES」が影響を受けていると思われる「Zガンダム」。
放送は85年頃。でも、ファンからは非難轟々だった。
賛否両論という感じ。でも、数年前に映画版が作られ大ヒット。
理解されるまでに、25年ほどかかった訳だ。
そしてアメリカ人は伝統的に、単純な構図を好む。
「正義のヒーローが悪を打つ!」
それがアメリカ的発想! そんな物語が好き。
資本主義は「正義」で共産主義は「悪」と言い、ソ連と戦い続けてきた国。
何事も単純かして、「正義」を掲げる。
911事件以来、かなり変って来たが、(そこに清水崇監督の「THE JUON/呪怨」が大ヒットした理由もある)
まだまだ、古い体質を引きずっている・・・。
(つづく)
日本のドラマ/夏シースン(後)刑事もの [テレビドラマ]
この数年の刑事もので「相棒」「ゴンゾウ」「臨場」があった。
従来の刑事ドラマとは大きく違う。
見応えがあり、感動があり、新しさがあり、単なる刑事ドラマで終わっていない。
それに対して今シーズンの方は、どうなのか? 1本しか見ていないが、
「夜明けの刑事」(懐かしい)や「7人刑事」(これは古過ぎ?)と何が違うのか?よく分からない。
惨敗の理由。探るべく、時間ある限り録画したドラマを見て行く。
問題点を見つけることで、そこに今の時代の反映も見えて来るはず。
これも監督業、脚本家業の勉強だ・・・?
日本のドラマ/夏シースン(中)惨敗? [テレビドラマ]
時間ができて、「よし! 見るぞ!」と思ったときは最終回の間近?
おまけに、視聴率もばっちりと出ていて、どのドラマが人気で、どれがダメか?
一目瞭然の時期である。
ドラマも映画も他人の意見や評価を聞かず、真っ白な状態で見るのがいいのに!
これでは、興味半減。ただ、このシーズンは激震が走っている。
放送中の15本のドラマ。現在、その内の13本が軒並み視聴率一桁!
2桁を取り続けるのは「救命病棟24時」と、あと1本のみ?
かつてない状態だ・・。
春シーズンでも、1桁は2〜3本しかなかったのに惨敗という様相。
まだ、1〜2本しか見ていないが、どういうことなのか?
全体を見渡していえること。春シーズンは社会派もの。真面目に時代や家族を見つめるドラマが多かった。
それに対して、今シーズンは従来の刑事もの。バラエティ調のコメディが多い。
それらジャンルを選択したところに、問題あるように感じる・・。
(つづく)
日本のドラマ/夏シースン(前) [テレビドラマ]
春シーズン。日本のテレビドラマは、週8本録画。全部見た。
仕事のためとはいえ、こんなことをしたのは十年振り。
昔は好きでドラマを見ていたが、今は監督業、脚本家業の勉強として見ている。
そうなると苦痛なもの・・。
「HEROES」のような面白いドラマなら、食べるのを忘れても見るが
残念ながら、そんな感じの日本ものはない。
何だかんで、春シーズンのドラマを全て見終えたのは先日・・。
「よし! 夏シーズン」を見るぞ!と思ったら、そろそろシーズン・ファイナル?
なのに、何本かみたのは「赤鼻のセンセイ」だけだ。
やばい・・。
(つづく)
HEROES シーズン3 後半戦(7)サイラー=シャア [テレビドラマ]
その代表がサイラーだ。
最大の敵であるはずのサイラーが、今回、哀れで仕方が泣くなり、共感し、応援さえしてしまう。
そして、一時はクレアの父と行動を共にし、犯罪者を追う!(見ていない人は、意外過ぎて想像できないでしょう?)。
日本のアニメーション「ガンダム」のシャアさながらの、展開。
さらに、正義側(変な表現だけど)****が政府を動かして、超能力者狩りを始めるなんて・・。
こうした構図のドラマ。アメリカのテレビ界にも、ハリウッドにもほとんど存在しない。
日本のドラマや映画でも、ほとんどない。
存在するのは、日本のアニメーション。それも「ガンダム」の世界だけではないか?
しかし、ここで危機感を感じる。
(つづく。でも、この項、ちょっとお休み・・)
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HEROES シーズン3 後半戦(6)シャア・アズナブール? [テレビドラマ]
その際に参考にしたが・・日本のアニメ「ガンダム」や「ジャイアントロボ」ではないか?
いや、クリエーターがそれら作品のようなドラマをやりたくて、複数の主人公にしたように思える。
そして今回、「3」ではさらに複雑な展開を取り入れている。
この手法も日本のアニメ「ガンダム」では、すでに実践している。
「悪役」を単なる「悪」として描かないこと。
日本でも、それまでのアニメは「悪」=「悪」だった。
それが「ガンダム」辺りから(正確には『ヤマト』かも?)大きく変化。
本来、敵の幹部であるシャアが「信念」を持ち、「目的」を持ち、「悪役」とは言えない存在に描かれていた。
(「Zガンダム」では、敵対関係であったアムロと共に戦ったり!)
また、敵であるはずのジオン側にも、賞賛したくなるキャラが存在する。
さらに「Zガンダム」では、主人公の仲間が敵に寝返ったり。敵なのに共闘するキャラまで登場。
そんな設定を「HEROES 3」では取り入れているように思える。
(つづく)
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HEROES シーズン3 後半戦(5)Zガンダム [テレビドラマ]
あと、やはり、日本のアニメの影響を強く感じる。
登場人物のヒロがアニメ・おたくの設定であるように
この作品のクリエーターも、日本のアニメが大好き。
(「サイボーグ009」「ジャイアント・ロボ」の影響の話は以前のページを)
中でも、「ガンダム」「Zガンダム」をかなり参考にしていると思える。
通常のアメリカのドラマは、主人公が1人だけ。その人が全てを解決する。
「スーパーマン」がその代表。
刑事ものであっても「刑事コジャック」「警部マクロード」「刑事バレッタ」探偵ものであっても「探偵キャノン」「ロックフォードの事件メモ」同じ・・。
僕が子供の頃から見てたドラマも皆、同じ構図。
他のキャラは取り巻きであったり、子分であったりする。
当然、1時間のドラマで起こる事件は基本1つ。
それを逆手に取り、5つも6つも事件が同時に起きる。そして大混乱するのが「24」。
それで大成功を納める。
同じように「HEROES」は主人公を1人ではなく、7人、8人と増やして行ったのだ・・・。
(つづく)
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HEROES シーズン3 後半戦(4)「隠し砦」方式? [テレビドラマ]
日本のドラマは、一人の脚本家がシリーズ全作を書く。
「古畑任三郎」なら、三谷幸喜さんが1人で1クールを書き上げる。
他のライターは参加しない。
が、アメリカの場合は複数のライターが参加している。
その中心にクリエーターがいる。
この構図。これまでのアメリカのドラマでは、あまり効果を発揮していなかった。
が、今回の「3」が、たぶんこの構図で「隠し砦の三悪人」方式でシナリオを書いているのではないか?
という気がする。黒澤明が実践した手法だ。
1人が、主人公を絶対に絶命の危機に陥れる設定を作る。
他のライターが、それを斬り抜ける方法を考える。それを繰り返し物語を作る。
これが「隠し砦」方式。それを「HEROSE 3」では、さらに一歩進んで
主人公の危機、或いは展開自体を複数で、あれこれアイディアを
出して書いているように思える。
なので、ドラマを見ていると、「えーーー何で!」とか「あーーダメだ!」
と思える展開ができるのではないか?
(つづく)
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HEROES シーズン3 後半戦(3)原点復帰 [テレビドラマ]
「シーズン2」で見るのを止めてしまった人は、本当に気の毒。
それほど「シーズン3」は面白い。
その前半を全て見終わり、あれこれ考える。
これも以前に書いたが、脚本家たちは真剣に考えたのだろう。
大ヒットした「1」にあって、非難轟々の「2」になかったもの。
そして、原点に帰ろうと考えたはず。
事実、後半戦の最初では、ピーターが看護士。モヒンダーはタクシー運転手に戻っている。
物語自体が前半は「1」に戻っていた。これは別の意味で成功。
実はあのドラマの裏では、こんなことがあった・・という展開。
クレアの母の脱出劇など、感動ものだった。
それと、もうひとつの試しみをしていると思えた・・。
(つづく)
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