ミチル/「青い青い空」以前の物語(3)書道、日本の文化 [ミチル/青い青い空以前の物語]
「どんなに英語ができても、どんなにアメリカ文化に詳しくても
私はアジア人・・・東洋人・・・日本人なのだ・・
アイデンティティを持つには、日本を見つめるしかないのかも」
ミチルはあること思い出す。
子供の頃に祖母が教えてくれた書道。
「もう一度、やってみよう・・
アメリカ人にできない何かをしたい・・」
クラスメートが本当の意味で、ミチルを認めたのはそれからだった。
「ワンダフル! ミチル」
「ワッカインド・オブ・アート・イズ・ディス!」
もう、東洋人の顔をしながら、英語ができるだけの
奇妙な存在ではない。
ミチルは感じた。
「日本には素晴らしい文化がある。世界に通用する文化がある!
それを伝えること。学ぶことで。私の意味がある」
ハイスクールの途中で、父の仕事の関係で日本に戻る。
浜松の高校に編入した。
ただ、そこに待っていたのは大きな失望。
悲しい現実が待っていた・・。
(つづく)
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