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ミチル/「青い青い空」以前の物語(2)マンザナール収容所 [ミチル/青い青い空以前の物語]

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 その日。ミチルが訪れたのは、小さな日本食レストラン、
 
 レストランというより、

 個人で経営するハンバーガースタンドのようなもの

 店内には客はいない。

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 料理をするのは日系人のおじいさん。

 日本風ハンバーガーを見つけたミチル。英語でオーダー。

 「Can I have teriyaki buger and ・・・」

 日系のおじいさんは言う。

 「日本語で話シナサイ。日本人ナラ日本語デ話シナサイ」

 そのおじいさん。いろいろと話をしてくれた。

 アメリカ生まれで日本のことは、よく知らない。

 なのに懐かしそうに日本のことを話す。

 ミチルがオーダーしたテリヤキ・バーガーだってアメリカの味。

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 でも、こう言う。

 「イツカ、日本へ帰リタイ。日本ハイイ国デス」

 アメリカ生まれだから、本当は「帰りたい」ではなく

 「行ってみたい」だ。

 国籍もアメリカ。

 でも、こういう

 「ワタシは日本人デス」

 他民族国家アメリカ。

 でも、アングロサクソン系の白人が強い力を持っている。

 太平洋戦争中は日系人だけが収容所に入れられた。

 彼もマンザナールで子供時代を過ごしたという。

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 (写真上、マンザナールの収容所あと)

 それを描いたNHKの大河ドラマ

 ”山河燃ゆ”は、アメリカでは放送されていない。

 敵国であるイタリア、ドイツ系アメリカン人はの収容されていないのに

 日系人だけが収容された。

 そんな厳しい歴史を越えて来た日系人の人たち。

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 「ワタシは日本人だ」

 そのアイデンティティを大切にし、誇りにして生きて来たのだ。

 日系人だけではない。他の国から移住して来た人たちも同じ。

 アメリカは他民族国家。

 それぞれの人種が、それぞれの文化や伝統を大切にし、

 それをアイデンティティとしている。 

 だから、文化や伝統を守ろうとする。

 逆にアメリカ人にはそれがない。建国してまだ200年の国。

 ヨーロッパや日本に比べてまだまだ歴史がない。
 
 だから、伝統や文化の面で海外に憧れる。

 日本の歌舞伎や能。ヨーロッパの家具や食事。

 ミチルは気づく。自分が、高見沢ミチルたるものは何か?

 「Who are you ?」

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 「私は誰? ワタシは何者? 

 アメリカ人にはなれない。やはり私は日本人なの?

 でも、日本のことは・・・何も・・・知らない・・」

(つづく)

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