「青い青い空」を何度も見てしまう理由(4)ドキュメンタリー? [秘密シリーズ]
いくら監督が俳優に、自由に演技をさせても、
俳優に力がなければ駄目だ。
そう、今回の「青い青い空」の出演者。本当に素晴らしかった!
役を演じるのではなく、俳優たちが役そのものになって行った。
相葉香凛は真子に、草刈麻有はみさとに
橋本わかなは三美子に、田辺愛美はトン子に
そして平沢いずみは、ミチルになっていた。
その日の撮影が終わっても、そのまま。
ロケというより、本当に書道合宿をしているような感じ。
そこで皆、助け合い、協力し合い、支え合い。
本当の絆が生まれ、物語と同じように
ふぞろいの子たちが一致団結して、大会に臨むという構図が出来て行った。
その後、映画完成。舞台挨拶で草刈麻有に会ったときは
元の麻有に戻っていて、驚いたものだ。
「ああ、あのときは、みさとだったんだ・・」と
そのこと。平沢いずみはこう話してくれた。
「みんなそれぞれの役の資質を持っていたんです。
役になり切ったというより、その部分が前面に出て来たんです」
なるほど、その通りだろう。
だから、大会のシーンとかはもう、撮影という感覚はなく
大勢のお客さんの前で、演舞をする
本物の書道部員そのものだったのだ。
つまり、映画撮影、お芝居というより
若き女優たちが壁にぶつかり、
喧嘩しながら、迷いながら、
がんばるドキュメンタリーとなったのだ。
演技ではなく、
本当に苦労し、努力し、涙を流している姿が
スクリーンに映し出される。
だから、観客の胸を打つのだ。
では、それがなぜ、何度見ても感動することになるのか?
(つづく)