「告白」とある青春映画(4 [映画感想]
「告白」では冒頭の松たか子のシーンだけで、
何日かかったか?という撮影。
照明も撮影も、編集も、時間がかかる凝ったものばかり。
俳優も皆、素晴らしい。演技とは思えない芝居が続く。目を離せない。
痛いほど悲しみが伝わってくる。
対して、昨年の青春映画。引き絵で、延々と会話を撮るシーンが多い。
楽して早く撮れる方法だ。
光と陰のないベタッとした照明も、一番早くて楽なやり方。
俳優から「悲しみ」も「喜び」も伝わって来ない。
それは監督が「思い」も「愛」も伝えていないから。
すると、不思議なほど物語が盛り上がらない。
ただただ、スクリーンの中で他人事がつづく。
どんな詰まらない映画であろうと、作るのは大変。
作り手として簡単に映画を批判したくない。でも、愛のない作品は許せない。
愛されない子供は歪んでしまう。映画も同じだ。
監督の「思い」が「愛」がいかに大切か?
それが映画に魂を吹き込み。力を与えるのだと、再確認させる2作だった。
(つづく)
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