不思議の国への旅(3) [編集作業]
撮影現場では、カメラの後ろにいて
遠くて分からなかった真子の目の動き。
編集中。いや、真子の世界に迷い込んだ僕は、それを間近で見る。
ああ、真子はハマコー先生に呼び出されたとき、こんなに不安だった。
みさとが砂浜で告白したとき。こんな悲しい顔をしていたのか。
タイムスリップして、あの瞬間に戻り。
真子やみさとたちの青春を見つめる。
少女たちが悲しいときは、一緒に悲しみ。うれしいときは一緒に喜ぶ。
ハマコーに会いに行く真子の姿に「真子!がんばれ!」と声援を送る。
ミチルが職員室に登場したときは、
「みちる! ありがとう!」と涙が溢れる。
ハマコーが裏工作をしているときは、怒りが吹き出してくる。
「だから、大人は嫌いなんだよ!」
と、みさとと同じことをつぶやいてしまう。
(つづく)