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続・冨田佳輔くんの思い出 [撮影19日目/お寺&病院]

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 冨田佳輔演じる卓也、単なるコメディリリーフではなくなる。

 卓也の設定にマイケル・ジャクソンが好きというのがある。

 台詞で一言うだけ。なのに冨田君。ロックの勉強を始めた。

 それを見て「ロックが好き」という設定を卓也に加える。

 オタクの卓也、ロック少年になった。

 冨田君にマイケル・ジャクソンやブルース・スプリングスティーンのCDを貸す。

 CDプレイヤーを持って来ていて、ホテルの部屋で何度も聴いていた。

 宿舎の廊下を歩いていると、後ろから声がする。

 「監督! 風呂行くんですか? 僕も一緒に行っていいですか?」

 宿舎の風呂に一緒に入り、役作りの話を何度もした。ロックの話もした。

 翌日はまた提案をしてくる。卓也をどう演じるべきか? 必死に考えていた。

 こんなに努力をする十代の男の子を他には知らない。

 
 (つづく)


タグ:冨田佳輔
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