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「HEROES 」研究(中)日本アニメ、米で大人気? [映画感想]

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 僕がUSC(南カルフォルニア大学)映画科で勉強していた頃。訪ねたハリウッドのクリエーターたちの部屋には、数々の日本映画、アニメのグッズが置かれていた。
 「グレムリン2」の造形を担当した友人の部屋に、まさか「スケバン刑事」のLDや「仮面ライダー」のビデオが置かれていようとは!驚きだった。

 また、当時(1980年代後半)から日本のアニメは、アメリカでも大人気。ジャパニメーションとも呼ばれ、宮崎駿が高く評価される以前から、多くのファンがいた。
 リトル東京では月に1度、日本アニメの上映会。多くのアメリカ人が訪れていた。

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 手塚治虫等の巨匠が人気かと思いしや、最新の作品が人気。「超時空要塞マクロス」「北斗の拳」等は喝采が起こった。

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 そんな時代に青春時代を過ごした人たちが、クリエーターとなり、あるいはベテランになり、作品を手がけるようになってきたのがここ数年ではないか? 「HEROES」にもそんな日本作品の影響が多々見られる。

 まず、ヒロという日本人キャラを登場させたことからして、日本に関心があるだろう。その上、「HEROES 」というタイトルでヒロだ。最初は道化回しと思えたのに、とても重要な役。ピーターと並ぶ主人公とさえ言える。
 通常、外国人がドラマに登場しても、あくまでも主人公を助ける役回り。なのにヒロは「シーズン1&2」ともに最後に敵を倒すという重要な存在。
 この辺に作家たちが昔見た日本のドラマと同じように、日本人キャラに活躍させたいという思いと、日本作品へのリスペクとを表現したように思える。

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 で、物語の全体像。特に「シーズン1」は「里見八犬伝」と同じだ。特別な能力のある人々を探すインド人・モヒンダーが、八犬士を探して日本中を旅する里見家元・家臣の金碗大輔がダブる。八犬士には皆、同じ痣があるという設定も「HEROES 」でも似た設定がある。
 また、八犬士の1人犬塚信乃が名刀・村雨と関わる話があるが、ヒロが名刀ケンセイに拘るのも同じ。「HEROES 」の形は「里見八犬伝」を参考にしているように思える。

 しかし、アメリカで「八犬伝」の翻訳物が出ているという話は知らず。どこで八犬伝を知ったのか?と考えると、角川映画の「里見八犬伝」、薬師丸ひろ子と真田広之の。になるのだろうか? アニメでも作品化されているので、そちらかもしれない。
 それを見ていた作家の誰かが、「八犬伝」超能力版のアメリカ版を考えたのがスタートではないか?

 だが、「里見八犬伝」と同じに、形態の影響を受けた作品がもう一本ある。アニメ版の「ジャイアント・ロボ」だ。アメリカでもビデオソフトが発売されていて、ファンの評価も高い。
 その上、原作は横山光輝。物語のベースは「水滸伝」。とういうことは「八犬伝」のルーツ。で、見事に重なるのだが、こちらは全体の形だけではない。キャラの影響も大きいと思える・・。

(つづく)



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