物語の作り方/名作に学ぶこと?(下) [映画界の話]
ジョージ・ルーカス。子供の頃に見てた「フラッシュ・ゴードン」をリメイクしたかった。が、大物プロデュサーのディノ・デ・ラウレンテスに権利を先に買われた。
で、オリジナルとして考えたのが「スターウォーズ」。「フラッシュ・ゴードン」を目指して作ったのである。
その「スターウォーズ」のオープニング(エピソードⅣ)は、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」をイメージして書かれている。有名な話だ。
そして「ジェダイの復讐」(本当は「帰還」)の惑星エンドアのイウォーク族の戦い。「七人の侍」の百姓と野武士の戦いを、モデルにしている。
こんなふうに物語というのは、過去の作品をモデルにして、或いは影響を受け、憧れた作品を目指して作られることが多い。ただ、日本の場合は、「参考にする」「イメージする」ではなく、完全に真似!焼き直しというのが多い。
そのせいか、似た作品があると映画ファンや評論家は、すぐに「パクリだ! 真似だ。俺はそれを見抜いた。大したことないんだよ!」と言い出す風潮がある。
だが、安易にパクった作品は名作と同じパターンなのに、なぜか盛り上がらなかったする。うまい作品は有名な映画をモデルにしても、全然気がつかれずに観客は楽しむ。
名作と呼ばれる作品には、さまざまな黄金パターンや優れた表現が詰まっているが、安易に真似しても、なかなか同じようには行かない。
それがうまく行っているなら、パクったのではなく、学んだということだ。混同してはいけない。(ギリギリのものもあるけど)
そんなふうに脚本家や監督は、名作を研究。どの作品のどんな部分を昇華して、作ったか?見抜き、自分の作品作りに生かす。
「ああ、****を骨組みにして、この物語を作ったのか? やるなあ!」
「****の世界観を***に取り入れたのか! よく考えたなあ」
映画やドラマを見ながら、そう思ったりする。そんな作品。少し紹介する。
(つづく)