監督の気持ちが分かるのは監督? [仕事]
本業は映画だが、他にもいろんな映像関係の仕事をする。
映画作りは楽しく面白いが、「自分を削り表現するもの」。
すぐにカスカスになってしまう。
それに対してドキュメンタリーは吸収の仕事。
いろんな人に巡り会えて、いろんなことを学べる。
これはこれで楽しい。久々に取材の仕事をした。ある国の若手監督へのインタビュー。
通常は評論家とか、アナウンサーとか、映画ライターとかいう人たちが聞きとなることが多い。
だが、そのテレビ局の担当者は
「若手の映画監督には、若手の監督が質問する方が、気持ちもよく分かるはず。
他の人では引き出せない話が聞けるのでは?」
と考えた。
確かに! 僕もインタビューを受ける機会があるので、聞かれる気持ちはよく分かる。
聞き手というのは、だいたい似たようなことを訊くことが多い。
答える方は同じ質問ばかりだと、次第に気持ちが入らなくなる。
「いけない、いけない」と思いながらも、答えに新鮮味がなくなる・・・。
でも、「えーー何でそんなことまで知っているの?」とか、
「よくそこまで見てくれたなあ」と思える質問が出ると、張り切ってしまう。
インタビューとはいうのは戦い。
いかに相手から「熱い気持ち」を引き出すか? が大切なのだ。
そんな経験が生かせる仕事となる。
元・犯罪者が刑事になり、犯人を尋問するようなもの。犯罪者の気持ちはよく分かる。
って、ヘンな例だけど、気づくともう8月か・・・。
(つづく)