「硫黄島からの手紙」を見た。 2007/01/14 [prologue]
昔から正月といえば、大作や話題作が公開されるのが楽しみだった。
06年の目玉は「キングコング」(1年前とは思えないほど昔のような気がする!)
07年はその昔、正月の定番だった「007」もあるが、
一番のお勧はやはりクリントイーストウッド監督の「硫黄島からの手紙」である。
打ちのめされて映画が終わっても、涙が溢れて立ち上がれなかった。
「父親たちの星条旗」と2部作というが、比重が全然違って、
前作はこちらのプロローグのようにさえ思えるほど、
イーストウッドの強い思いを感じる。
非常に黒澤明的な演出。見せ方が多い。
渡辺謙には三船敏郎や志村喬のキャラがダブる。
大林宣彦監督の「理由」でご一緒した、加瀬亮君もとてもいい味を出していた。
(彼にはいつか僕の作品に出てほしいと、「理由」のときから思っている)
そしてドラマには「七人の侍」や「赤ひげ」を感じる。
真似ているのではない。学んでいるのである。
日本人以上に黒澤から学んでいるイーストウッドの姿があった。
そんな彼の出世作は「用心棒」のリメイク「荒野の用心棒」。
今回の作品で黒澤を勉強したのではなく、あの頃から学んでいたのだと思える。
が、そんなことを考えながら見なくても、
アメリカ人が描いたとは思えない日本人の物語は、日本映画を越える感動作。
同時に日本を描いたアメリカ映画の最高峰でもある。とにかく見てほしい!
タグ:硫黄島からの手紙